「珠玉」 |
2019年2月26日
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以前、彩瀬まるさんの
「眠れない夜は体を脱いで」
「桜の下で待っている」などを読み
好きな文体だと感じる作家さんだったので
図書館に「珠玉」を予約して楽しみにしていました。
ですが、最初のほうは小間切れに
語り手が前ぶれなく変わるので
「え?だれ?目線?」
と、見失う感じになって
読みにくく、少し戻って読み返すと
「ああ、なるほど」でした。
黒蝶真珠目線なんて考えもしなかったのです。
祖母が美貌の偉大な歌姫であることが
プレッシャーで自身の外見や才能に
コンプレックスを抱く女性が主人公です。
読んでて、昭和のスターの祖母の
設定に山口百恵さん、中森明菜さんがよぎりました。
読後、参考文献を見て納得でした。
本物と偽物の違いについてお話は展開します。
樹脂パールが黒蝶真珠に話す言葉
それ自体の価値は大したことなくても、
自分の味方だって強く思えるものが
鞄に入ってるだけで、ずいぶん頑張れたって。
偽物であっても本物であっても、
その人の価値観次第で珠玉になるということでしょうか。
誰もが大事な「珠玉」を
持っているはずと教えられるお話でした。
投稿者 rin5chan : 2019年2月26日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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