「吹上奇譚第2話」 |
2019年2月18日
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吉本ばななさんの「吹上奇譚第2話」は
前作に続いての哲学ホラーとのことですが
人情味もあってファンタジー色強く
屍や墓場と死の匂いがするのに
どこか牧歌的で爽やかです。
美鈴という少女が話すと
言葉がこんぺいとうくらいの小さな字が
ぽろぽろと口から出ては、雪みたいに消えてゆく
楽しいじゃありませんか(o^∇^o)ノ
ばななワールド炸裂です。
少女の霊に取り憑かれた美鈴
(黒美鈴とよぶのですが)のくだりでは
霊も霊に体をのっとられたほうも
互いを思いやる感じが優しくてホロリときました。
あとがきで、今回の作品の執筆の時期は
「青春を象徴した人たちとの別れ」が
多くあったそうです。
大切な人達や愛犬、
おばあちゃん猫ちゃんと続く
悲しいお別れがあり
30年の戦友だったという、さくらももこさんとの
ことにもふれていました。
吹上奇譚第1話に続いて
深いテーマを扱っているのに
あったかくほのぼのするお話でした。
投稿者 rin5chan : 2019年2月18日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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