「大人は泣かないと思っていた」 |
2018年9月20日
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初読み作家の寺地はるなさんの
「大人は泣かないと思っていた」は
文体のバランスも良く読みやすかったです。
噂話が娯楽というような
田舎町での男尊女卑のエピソードが
リアルに描かれています。
主人公が変わる連作短編が
繋がってゆきます。
到底共感できない無神経で
横暴かつ身勝手なおやっさんの章もありました。
ですが、おやっさんの孤独、悲哀もあり
この章が一番おもしろかったです。
ラストに長年連れ添い我慢し続けた
奥さんがああたに言いたいことが
たくさんあるから伝え終わるまでは
長生きしてという
それがなんとも優しさに満ちていて
ふわっとあたたかい気持ちになりました。
それぞれの章の目線が変わり
女ゆえの窮屈さがあり
男ゆえの苦悩ってのもあって
また、年代別の悩みってのが
あるんものなのだということを感じました。
投稿者 rin5chan : 2018年9月20日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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