「海馬の尻尾」 |
2018年3月24日
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荻原浩さんの「海馬の尻尾」を読みました。
どこか滑稽さのある荻原作品ですが、
やくざな暴力シーンの描写が
リアルで残虐すぎでした。
作者は、どこでこういうシーンや
言葉を学んだのだろう、
菅原文太作品をさんざん観たとか?
ファンタジーをかいていたその人とは
思えなかったのですが
何かユーモアがあってその独特な
リズムで嫌悪感なく読めました。
アル中の主人公は海馬の異常で
恐怖を感じなかったり、
人の表情が読めないために
共感することが出来ないとされています。
主人公の脳が新薬と少女との出会いで
他者への共感能力を持てるようになります。
極悪非道な主人公の心が
柔らかくなっていく感じや
日々の生活の中で感情に
色彩を帯び鮮やかさが増してゆく
過程がおもしろかったです。
映画になったらおもしろそう!
けど、きっと、間違いなくR18指定だな。
もし映画化するならラストは、
少女と母親が一緒に暮らせていますようにと強く願います。
投稿者 rin5chan : 2018年3月24日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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