「口笛の上手な白雪姫」 |
2018年3月15日
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急にあたたかくなって
春が芽吹く時のはぜる音が
聴こえてくるようです。ワクワク
声や音にまつわる八つの短編集
「口笛の上手な白雪姫」を読みました。
「先回りローバ」では
「僕の声って、どんな形?どんな色をしているの?」
そんな風な不思議系のお話が続きます。
「仮名の作家」では
何が書かれているかはたいした問題ではなく、
私にとって重要なのは、どんな声で語られているかだった。
声は、言葉以上に
その人の本質や思いが感じられます。
「一つの歌を分け合う」が一番
好きなお話でした。
最後の一音が劇場の高みに響いてゆき
やがて一点に吸い込まれていった。
ミュージカルを観たあとの
感動と高揚感を思い出します。
客席もひとつになるような
あの幸福感ったらないです。
小川洋子さんの作品は直木賞の
「博士の愛した数式」が
あったかくて優しくて
不思議で大好きなお話でした。
今回の作品はさらなる
秘密めいていて幻想的な
お話が綴られています。
投稿者 rin5chan : 2018年3月15日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »