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「降り積もる光の粒」
2018年2月19日

角田光代さんの「降り積もる光の粒」は
旅について書かれたエッセイでした。
呑気だったり危なげだったりしながらの
作者の気づきが綴られています。


 
あ、そのワクワク感わかる!と
感じることも多々ありました。


時に、ほのぼのっと
緩やかに流れる時間が描かれ
叙情的で美しくて夢見心地になれました。

すがすがしいほど開けているからか、
時間の速度も変わったように感じられる。
ゆったり、おおらかに時間は流れはじめる。


私までおおらかな大地を漂っているような気分になれます。


第四章は、ぐっと深刻になり
たくさん泣きました。
マリとインド、パキスタンへ
ボランティアに同行し女性の窮状を
取材する旅の話になります。
文字にすることはとてもとても
おどろおどろしいようなことが
今も発展途上国にはあって
それは、現地の人にとっては
「母もそうだったから」という
意識で流されてしまうのです。
とても衝撃的で重たく受け止めました。
 

今、開催のオリンピックでも
人種差別や女性差別を受けた選手の
努力はいかばかりだったのかと・・・。
心から応援します。


最終、東日本大震災後の三陸の旅の
話には大きな希望を感じました。

けれど旅を終えたとき、私たちは気づくのだ。
それらが、きらきらと光を
発しながら自身の内に降り積もっているのを。


と、印象的な言葉を残してエッセイは
とじられています。
ぎゅっといい話がつまっていました。

投稿者 rin5chan : 2018年2月19日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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