「砂上」 |
2018年7月17日
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桜木紫乃さん「砂上」です。
桜木作品には、男の色気って
こういうことなのかしらんと思える
影のあるかっこいい男性が登場します。
「霧」や「ブルース」「裸の華」では
実社会ではかかわりたくない
(かかわってはいけない)危ない
男性が物語の軸となっていて
ゾクゾクしました。
ですが、この作品の登場人物は
なんだかふがいない男達でした。
小説家になりたいアラフォー女性が
作家デビューするまでの話で
厳しい女性編集者のアドバイスを受け
時に反発しながら自分の生き様
母や妹との関係を題材にした
私小説を書き上げます。
物語を生み出す作家の凄まじさを感じ
この物語自体が桜木さんの私小説なの
かしらんと、思ったりしました。
ちらかり放題の思考が、一本に
まとまってゆくときの心地好い感覚がある。
このくだりが爽快感がうかがい
知れてとても好きです。
私の仕事も、点と点を紡いでゆく
作業が多く、整った時の
気持ち良さと言ったらないですから。
投稿者 rin5chan : 2018年7月17日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »