「サーカスナイト」 |
2018年1月16日
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お正月によしもとばなな(現在は
吉本ばなな)さんの「サーカスナイト」を読みました。
お姑さんも、昔の彼のお母さんも、
ご両親と共同経営していた夫婦も
とてつもなく人間ができていて
「そんなことってあるのかしらん?」
なーんて思いながらそれでも
なんとも心地よく読み進みました。
この小説は新聞連載だったそうです。
あとがきで、作家さん本人が
毎日おそろしいニュースが載っているから
「よんでいるあいだだけ憩ってほしい」と
願って書いたことが語られていました。
主人公は、サイキックで
イメージをつかみだす。水の中に手を入れるようにして。(略)
ものに触れてじっと見ていると、イメージが浮かんでくる。
モノからイメージを読むチカラがあったら楽しいなぁ^^
物語はスピリチュアル的要素が高く
人との距離の取り方なども参考になりました。
自由なのはいい、うんといいことだ、
でもだれともつながっていない、
いつ切れるかわからないような
つきあいばかりの人生は
ほんとうの自由というものではない。
そして、どうにもできないことが
時間の経過でほどけることも
人生には多くあります。
流れた時間は、ちょうどよく発酵して、
悲しみを取り込んでいった。
時間が解決しない問題はない。
味噌や醤油が発酵するみたいに、
放っておいてもワインが熟成していくみたいに、
大変だったことは時間の要素に
抱かれてなんでもないことになっていく。
こだわり続けるのは人間の心だけなのだ。
悲しみや辛いことがこんな風で
あって欲しいと思いました。
そのときはとてもひどいことに
思えるだけのことから、なにかが始まって
やはり芽吹いていく。
種が風に乗って、いろんな人のところで花開く。
過去を振り返ると確かに心当たりがあります。
そういう繋がり。
正月に、ぴったりな愛に満ちたお話でした。
あたたかい気持ちになりたい時、オススメです。
ばなな祭はさらに続きます。
図書館サマありがとうございます☆”
投稿者 rin5chan : 2018年1月16日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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