「九十歳。何がめでたい」 |
2017年12月8日
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佐藤愛子さんのベストセラー
「九十歳。何がめでたい」を
貸してくださる方がいて読めました。
(図書館の予約をしたら順番、大変なことです)
10代20代の頃、佐藤さんの
エッセイをよく読んでいたのですが
独特のリズム健在です。
語尾、一遍ごとの着地まとめ方が軽妙で好きです。
北海道の別荘の玄関に捨てられた愛犬ハナの話。
「犬の飛行機賃ナンボ?」
「北狐の出没する荒野に放棄することは
出来ない。チクショウ」
と憤怒しつつと犬を飼いたくはないけれど連れて帰ります。
ご本人は
私は特別にハナを可愛がってはいない。
日々の暮らしのついでに飼っている。
庭に穴を掘ったといっては叱り、
泥足で磨いたばかりの床に
上がったといっては邪険に追い出し、
たまにブラシをかけてやるが、
何ごともやり出すと熱中するたちなので
力まかせにいつまでもかけつづけ、
いやがって逃げようとするのを逃がさずに押さえつけて怒る。
あっはは!大笑い
なんともほのぼのしているじゃありませんか。
ハナは自分の小屋では寝ずに、
私の寝室の外のテラスで毎晩寝ている。(略)
ハナは私を守っているつもりなのだろうか。
ここで、まずぐっときました。
ハナちゃんが亡くなったあと、
邪険にしたと呵責と後悔に悩んでいる時
霊能のある女性から
「ハナちゃん佐藤さんに命を助けてもらったて
本当に感謝していますよ」と言われどっと涙が溢れた。
と綴られていました。
私も大いに泣きました。
なんとも温かい話で今、かいていて
思い出しても泣けてきます。
ネタバレになってはいけないので
かけないのですが「冷たい飼い主」と
ご本人が呵責と後悔にとらわれていたことこそを
ワンちゃんはとても喜んでいたのです。
幸せな生涯を送ったワンちゃんと言えるでしょう。
年を重ねることは心のひだが増えることと
自分へのエールにもなります。
どうか、百歳になってもかいていただきたい。
佐藤さんの本音トークなエッセイ好きです!
投稿者 rin5chan : 2017年12月8日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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