「パーマネント神喜劇」 |
2017年9月10日
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万城目学さんの「パーマネント神喜劇」は
芋洗坂係長風の縁結びの神様が主役のフアンタジーです。
この神様が、やたら人間くさいのだけど
古来からの神話の中の神様も確かに人間っぽかったですね。
おもしろいと思ったのは
テストで間違った答えに×をつけるのは
間違いを否定しているわけじゃなく
封印しているのだそう。
で、×は雷からきていて稲光を模したものと。
夏の終わり、雷が鳴る頃に
稲穂が実るのを見て、雷が稲の先に実を
つけてゆくと考えられ「神鳴り」と呼ばれたそうです。
雷が稲に実をつけていく
なんと日本人の美意識は繊細で美しいことでしょう。
で、×は神鳴り(雷)の力で悪い物を封じようと
することなのだそうです。
言魂ってきっとあるんだろうなとも思っていて。
私の場合、同じ言葉を二度繰り返して、
それを言霊に変えて外の世界に送り出すのが仕事だからね。
この作業が楽しいのです。
「慎重すぎるサラリーマンが
前向きな人格へと成長」や
「ギャンブラーで当たり屋の男が
改心しまっとうになる」など
縁結びの神様が男女の思いを紡いでゆきます。
震災あとの地で“ドングリの実”が
縁あって繋がってゆくというお話では
こいうことあるって思いました。
偶然が重なってゆき
「あ、これ必然だったんだ」という感じです。
神様が人に与えるのはあくまでも
小さなきっかけで、それを感じうけとるは
人なんだ、と教えれます。
ホロリくるシーンもあって
神様はこうこなくっちゃね!
ハートゥォーミングな物語でした。
仕事柄、神社さんにはよくうかがいます。
今度から、ご神木や笠木の影も
興味を持って眺めたいとも思いました。
投稿者 rin5chan : 2017年9月10日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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