「赤いゾンビ、青いゾンビ。」 |
2017年8月2日
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夏の夜は怪談ですよね。
川上弘美さんの「赤いゾンビ、青いゾンビ。」は
ゾンビと言いながら決して
おどろおどろしいお話ではありません。
作り話の中には時々は現実のことも
あるんだろうなと読み進んだら
あとがきで
たいがい、ほんとうのことなのです。
と言うじゃありませんか。
些細な日常をすくい上げ
ユーモアの着色を施している感じです。
例えば、宴席でも喫茶店でも
接待さんにもウェイトレスさんにも
友人知人間でも
なぜかお酒もお水も注いでもらえない
と、いうことが重なります。
五回も続くと慣れてきて自分で注いでいると
霊感があるという女性から
「背後に小さな何かがいますよ」
そして
「何かをこう、押し戻そうとしている、
うっとうしいおじさんみたいな顔の、小さな何かが」
と言われます。
その状況を想像して笑いました。
あとがきの中では
読者のみなさまの身の回りでだって、妙なことは、
いつも起こっているのだと思います。
読み終わったあと、過去に我が身に起こった
「不思議」や「妙」や「謎」を
思い返すことにしました。
おっちょこちょいな友人の予想外な行動
子供のいきなりなメルヘントーク
自分の自信満々な勘違い
猫のへんてこりんな行動などなど
あれってなんだったんだろう
と、クスクスと笑って幸せなキブンになりました。
「赤いゾンビ、青いゾンビ。」は夏の
お疲れの時にオススメの一冊です。
現実と空想の曖昧な境界線を楽しめます。
あ!
「小さなおじさんがいる?」と思った瞬間は
過去確かにありました。
ウチの場合いそうなのは台所です。
投稿者 rin5chan : 2017年8月2日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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