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「眠れない夜は体を脱いで」
2017年8月6日

寝苦しい夜が続いていますが、エアコンには頼らずに
眠るようにしております。
そして、毎朝、暑くて目覚めますo(>_<)o。



夏の朝焼け、清々しいことです。
手前の細かく綿をちぎったような雲が
ニョッキのようなカタチをしているなぁと
眺めていました。


彩瀬まるさんの「眠れない夜は体を脱いで」は
自分の人生に不満を持っている五人の
老若男女それぞれが主人公の短編が繋がってゆきます。



男はこうあるべき女はこうでなきゃという
男女という性の呪縛がテーマになっています。


「マリアを愛する」は、ホラーなのだけど
とても好きなお話で読み進むうち
登場人物の恋の告白を応援していました。


「鮮やかな熱病」では、20代後半のめぐみが言います。

「男女っていう役割を脱いで、
ただの対等な大人同士として、
尊重しあえる関係を作りたい」

「もし結婚するとしたら世界一の
親友だって思える人がいいです。
その上で恋をしたい。」


互いに敬えるというのは、理想的な
関係だろうなぁって感じました。


「真夜中のストーリー」では、ごっつい体型の
幸鷹が華奢な愛らしい少女のアバターを作り
仮想の世界を楽しみます。


宝塚の男役のしぐさが実際の男性には
ないような潔さやかっこよさがあったり
歌舞伎役者の女形が本当の女性より
しなやかで艶っぽかったりみたいなもので
異性への“願望“が色濃く反映されるのだと思います。

顔も名前も年齢も知らないのに、
仕事や性格、思想信条、隠された魂に、
気づかれないまま触れている。
自分が没頭しているインターネットとは、
きっとそういう場所なのだ。


確かに、人は多かれ少なかれ
こうあるべきこうありたいと自分を
演じているところがあります。
ありのままでと言うのが何より難しいことで
ちょっぴり照れくささを感じることもあります。


五つのお話はすべて結末では
主人公が明るく未来への第一歩を
踏み出すのが伝わってきて
読了は清々しい気分になれました。

投稿者 rin5chan : 2017年8月6日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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