「私をくいとめて」 |
2017年7月1日
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今日は朝から大雨と雷で
もちろん風景は濁って見えて
こういう日は少し不安になります。
図書館で借りた綿谷りささんの
「私をくいとめて」を読みました。
軽快な文体が楽しく、わたせせいぞうさんの
表紙イラストや大瀧詠一さんの歌も
懐かしくワクワクしながら読み進みました。
主人公は、おひとりさまが落ち着くし
けっこう好きなのだけど、
孤独は寂しいと感じています。
ある日、脳内に冷静な人格の“A”が現れます。
“A”とくりひろげられる脳内会話が
とにかくおもしろいのです。
時に諭され、時に勇気づけられ、
時に指示してくれる
“A”のアドバイスは的確なのです。
飛行機内での描写はおっかしくって
声をあげて笑いました。
揺れに揺れる飛行機の中でうろたえ
“A”に大瀧詠一を聞くように言われます。
たとれ、5分後に死ぬとしても(略)
悔いなし、悔いなし。
ただしパイロット、お前はだめだ。
もう、大笑い!
長袖の袖をひっぱって涙を拭く動作は
幼すぎると分かっていても、
ついさびしいときは、やってしまう。
主人公の中の小さな女の子が見えるようです。
実は、私も飛行機が大の苦手で最後に
乗ったのが「東京―小松」だったけど
CAさんと目が合った時、あの
ならではの笑顔でかえされると
さらに身が硬直したのを思い出しました。
“A”は主人公が寂しさや不安を
感じていると出てくるのだけど
充実している時は気配がないのです。
そして、主人公が“A”から自立してゆくとこが
ファンタジーでした。
ここまではっきりした脳内
コンシェルジュじゃなくても、
妄想好きな“女子”の脳内には
その存在が大きかれ小さかれ
きっといると思うのです別人格が。
「言葉の最後にハートを付ける」
という“A”の助言がありました。
語尾をそういう気持ちで話すと
柔らかくなっていいのかもしれません。
これは試してみようかしらんと思いました( •ॢ◡-ॢ)-♡。
投稿者 rin5chan : 2017年7月1日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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