「幽女の如き怨むもの」 |
2016年8月23日
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二十四節季「立秋」を過ぎて「処暑」となりました。
暑さの峠も過ぎたっていうことなのですが
いえいえ、まだまだ暑いです。
夜は、自転車でお花の写真撮ったりもゆっくりできます。
夜に出逢う花は昼間と表情が違うからおもしろい。
夜のカーテンが降りはじめた頃の向日葵
後ろからちょうど車が来てそのライトの明かりでほのめきます。
長坂用水に咲くさるすべり
水が鮮やかな色香につつまれます。
畑に咲くホタルブクロ
清楚な花が薄暗い中では、小悪魔な感じがします。
公園のオニユリ
その香りも妖艶なのです。
月明かりの中でみる花は、
風が吹いてグラリと茎が揺れたりすると
婀娜っぽくみえたりもします。
暑い日の読書には怪談はいかがでしょうか。
三津田信三さんの「幽女の如き怨むもの」
刀城言耶(とうじょうげんや)シリーズです。
時代小説を読むのが好きです。
このお話は、戦前、戦中、戦後の遊郭で起こる
不可思議な連続身投げ事件の真相を暴く
妖しくおどろおどろしいミステリーです。
また、民俗学的な背景が描かれているから
その残酷さもあります。
遊郭がどんな場所なのか知らない
無垢な女の子が売られていたのは
ごく近年まで現実にあったことで
可哀想にと切なく、時に痛みを感じます。
花魁たちの心情に寄り添いながら読み終えました。
物語であっても遊女達の晩年が穏やかなもので
あってほしいと祈らずにはいられません。
投稿者 rin5chan : 2016年8月23日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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