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「早春賦」
2016年4月8日

山口恵以子さん「早春賦」読みました。



華族と地下人、知識階層と無教養、
主人と使用人、資産家と労働者、男性と女性
そんな様々な「差別」が
明治から大正への時代背景とともにからんできます。


 

財閥でありながら平民の父親が貴族との縁談を望み
主人公を公家へと嫁がせます。
女性の権利が認められなかった時代の政略結婚です。
嫁いだ夫はなんでもありな光源氏のような男性なのです。


 

物語の中で晩餐会を催す際のドレスコードが宮中に習って
女性はローブ・デコルテか色留袖です。
(皇室の女性は黒留袖はめされません。
皇室の正式な行事はフランス式で行うと明治時代に決められました。
戦後、美智子妃が納采の儀(結納の起源)にお振袖をめされたことから
ドレスコードが新しくなったのだそうで
紀子妃も雅子妃も納采の儀ではお着物でした。
ですが、今も皇室の公式の行事ではみなさん洋装でいらっしゃいます。)
結婚式の日は、フランス料理が三日続く披露宴だったり
銀ブラしてカフェでコーヒーとなんだかハイカラで優雅なのです。


物語は、結末近くホッとする場面があって
「あー、良かった」と一安心。
最終末の着地も良かった、ドロドロで終わったら救われません。
誇り高く生きる主人公がとにかく肝がすわっていてカッコいい
おもしろくって一気読みしました。

 

本と一緒にうつしたのは「ごぼう茶」です。
「ポリフェノールたっぷり」とのこと
芳しきお茶と読書、なんと贅沢なことでしょう。

投稿者 rin5chan : 2016年4月8日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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