「再生」の物語 |
2015年11月24日
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昨日に引き続き「那谷寺」紅葉狩りの段です。
階段をのぼりきると錦の屏風がひろがります。
ベンチも苔むして。
「紅絹色」は、絹をうこんと紅花で染めた黄色味ある赤色。
侘びしく寂しげな色は「寂利休」。
柔らかい光が降りそそぎます。
池の水面に秋の空が映って。
燃える秋を歩むと、
見上げた空に飛行機雲です。
「水鏡」にもさかさ紅葉。
もみじかわいや、かわいやもみじ。
何度もこういう階段をのぼりおりしました。
苔が湿っていて下りではとても歩くことに集中しました。
ちょうど読んでいた島本理生さんの
「夏の裁断」の中のシーンを思い出します。
上がるときよりも、いっそう下るときのほうが注意深く石段を踏む。
赤い鳥居のトンネル腰に鎌倉の街が広がっていた。
遠近感が失われて、気が遠くなる。木の枝を踏んだ。折れる音がした。
登りきったときに広がる景色はその都度、新鮮です。
芥川賞の候補になった島本理生さんの「夏の裁断」は
短いお話で夕食後に読み始めていっきに完読。
「女性作家の再生の物語」は時々、共感できて
印象に残る言葉もありました。
紅葉し落ち葉になって朽ちて
次の春には芽吹いて青葉が煌めく樹木。
「再生」を待ちわびる季節がいよいよやってきますね。
冬が厳しければ厳しいほど、
訪れた春の日射しのぬくもりに幸福が感じられ
偉大な自然に深く感謝します。
投稿者 rin5chan : 2015年11月24日 カテゴリー: 和ごころ文化, 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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