お着物の八掛 |
2014年11月11日
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秋の初めワタクシ「宮部みゆき祭」しておりました。
宮部みゆき作品6冊読み、「ぼんくら」でいったん〆ました。
この小説の中で何かと「羽織」について描写されています。
「いなせといわれている定町廻りの同心巻羽織でさえ、
彼が身に着けると痩せた体に巻きついて、
景気の悪い旗印のうように垂れ下がる始末。」
覚悟だったり威厳をみせたい時の着衣だったりするようです。
「羽織」がそれぞれの立場(商人、町人、役人)で羽織ることの
意味あいが違うってとこがおもしろかったです。
渡辺淳一さんの小説に出てくる女性は着物が似合います。
「かりそめ」の1ページめ
「着物は腰紐でとめられ、お端折りが重なっているが、
襟元は合わされぬまま、ゆるやかに開いている。」
渡辺淳一さんは私生活の中で作家さんの視点で
着物の女性の支度を観察されていたのですね。
他の作品でも細かく生地、柄、着方などで
登場する女性を表現されています。
松本清張さんの小説の中にも着物の女性が多く出てきます。
「黒皮の手帳」や「点と線」
銀座のホステスさんという仕事柄だったり
時代背景の象徴として描かれています。
女性の成功(成り上がって行くという感じ)を
洗練され着物の格があがることで表現されていたりして小気味いいです。
幸薄さ儚さを着物姿の描写で感じさせるもの。
地味な着物にはっとさるよな八掛(着物の裏地)が
女性の本性や生き様をうかがい知る時のコドウグとして存在したり。
さて、八掛は普段は見えず動いた時に
スッと見えるものでセンスのみせどころでもあります。
前後の身頃の裾裏に四枚、衽の裏に二枚、
襟先の裏側に二枚と八枚掛けることから、八掛と言うそうです。
投稿者 rin5chan : 2014年11月11日 カテゴリー: めしませ着物, 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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