「水浴びせ」 |
2014年8月27日
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書店で何気に手に取った宮部みゆきさん「おそろし」を
読んでみたらおもしろくって
続編「あんじゅう」と「あやし」買ってきました。
時代小説が好きなのと、ほどほどのミステリー感
文体にリズムあって読みやすいのです。
「夏の夜長に ふさわしい、ひやひやと恐ろしい物語」
って言うのがウリなのですが
あまり、怖いとは感じず
「そんなことってあるかもしれない」
「そんなだったらおもしろい」と
ワクワクさえします。
この物語にでてくる人々が温かい。
そして、妖物(ようぶつ)それぞれにも個性があり
感性豊かで可愛いく愛おしさも感じます。
「あんじゅう」にその昔、江戸にあった
「花嫁が生家から出立の時、子宝を願って水をかける
“水浴びせ”」の風習についてかいてあります。
と、言っても水をざばっと浴びせるわけではなく。
形ばかりだから、ざぶりと直にかけるのではない。
柄杓にもう片方の手を添えて、
そこから指先で跳ねかけるようにした。
と、あります。
水を浴びせる大役も縁起良い人が選ばれます。
アレンジして金澤syugenの祝言にとりいれても
ステキだと思いました。
関東圏の新郎新婦様も多くいらっしゃいますから。
「怪談」というジャンルなのだそうですが
おどろおどろしたものはまったく感じません。
時々は「人の業」みたいなものに
憂いたり切なくなったりしながら
登場する人が優しくてその情にあったかくなれます。
投稿者 rin5chan : 2014年8月27日 カテゴリー: 和ごころ文化, 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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