「小さいおうち」 |
2022年10月16日
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中島京子さんの「小さいおうち」は祖母の手記という形で
現代の孫(甥の子供)目線も織り込みつつ
昭和初期と現在を行ったり来たりする物語です。
太平洋戦争が始まる時に街が活気に満ちて
女性や子供も高揚感でワクワクな感じが
読み間違いかと思うくらいの驚きでした。
もちろん、それを現代から孫目線でみると
まるで違う出来事となっています。
戦争がじわじわと生活を侵蝕し
夜の5時から8時までの飲食店の営業の制限とか
街から人の姿が少なくなってゆく不穏な感じが
2020年のコロナの緊急事態制限の時期と似ています。
(私達はコロナに怯えながらも十分な食事ができ
いっそう衛生的な生活を送れました。)
祖母の思い出の中にはいつも光り輝く憧れの人がいて
自身の苦しかったことは書かれておらず
朗らかで豊かな暮らしぶりが綴られています。
嫌な思い出はそぎ落としながら記憶は美化され
年を重ねるが賢い老い方であろうと感じました。
時空を超え、最終章で再び登場した手紙に秘められた想い。
それを独りでずっと抱えてきた祖母の心情、
深い葛藤や後悔を思いばかるばかりです。
祖母の手記もどこか曖昧でお話の中で
さらなるフィクションがあるのかもと読み終えて
しばらく考えていました。
職業女中としての誇り、共有した秘密、閉じ込めた恋情
読めば読むほど物語に入り込んでのイッキ読みでした。
余韻も楽しめるオススメ本です(❤╹ω╹❤)。
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投稿者 rin5chan : 2022年10月16日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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