「よって件のごとし」 |
2022年9月8日
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おどろおどろしいながらもどこかひょうひょうとした
宮部みゆきさんの三島屋百物語シリーズが好きで楽しみにしていました。
一話の「賽子と虻」は賽子(サイコロ)が可愛い
口調でしゃべったり燕の恩返しがあったりと
アニメっぽいファンタジー感あって
少年の義侠心も優しく尊いことでした。
二話の「土鍋女房」では本筋ではないのかもですが
人の胸の内を慮る小旦那(聞き手)が
自身をやきもちの囚われから解放するまでの
逡巡が微笑ましいことでした。
お話の中で優美であることの象徴として
「絹物の着物」に「手のかかった灯籠鬢の
島田髷を結い上げている」と描写があります。
女性が髪を結うようになったのは江戸時代から
だそうですから結髪師さんにお金を払って
髷を結っていた土鍋女房の裕福でおしゃれなことがうかがい知れます。
三話の「よって件のごとし」は残虐で怖くて
今の時代の戦争やコロナが度々よぎり
気味悪く何度も読むのやめようかと考えましたが
ラストは救いもあってホッとしました。
お話は「繋がる縁なら、どんな困難だって
乗り越えて繋がる」と穏やかに〆られていました。
追記
いっこ気にかかってしかたないこと。
二話の328から329にかけて
「話を終えた語り手との縁を残すようなお節介をしたら、
今度はお土産をもらえちゃったよ」
このように語り手との線を残すのは
ここだけ「糸」に「泉」なので誤字じゃないかしらん。
気になってしかたがありません。
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投稿者 rin5chan : 2022年9月8日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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