「やさしい猫」 |
2021年9月14日
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中島京子さんの「やさしい猫」は猫ワードの
タイトルと装幀の印象からほっこりほのぼのな
ハートウォーミング系と思い読み始めたら
ズシンと重たい社会派小説でした。
事情があって在留資格が切れたスリランカ出身の
男性が入国管理局に収容されます。
男性には日本人の奥さんとその娘の高校生の義理の子供がいます。
入国管理局では病気になっても外部に閉ざされていて
医療を受けることができないや出身国に帰らない
(帰ると5年は日本に入国できない)限りは
収容期間に終わりがないのだというのです。
この春のスリランカ人女性の事件の報道が
ピンときていなかったのだけど今作を読んで
こういうことなら起こりうると感じました。
男性は良き家族と経済的な援助、そして
人との出会いにも恵まれていて弁護士さんを
立てて協力者が物証を集めてができたけど
ほとんどの場合、そういう展開にはならないそうです。
「やさしい猫」はシンハラ民族に語り継がれる
猫と鼠の民話なのですね。
猫と鼠はマジョリティとマイノリティの比喩では
なかったのかと高校生が語りあうシーンがあります。
シビアな問題だけど終始わかりやすく
温かみのある言葉で紡がれていました。
度々、追い詰められていく家族のことが
心配で夜更かしして一気読みでした。
道のりの険しさったらなかったけれど
お話の〆には素敵なサプライズもありました。
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投稿者 rin5chan : 2021年9月14日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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