「雲を紡ぐ」 |
2020年2月12日
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伊吹有喜さんの「雲を紡ぐ」 は高校生の美緒が
くるまっていた赤いショールから始まる
もの作りのお話で、親と子、妻と夫、
家族の再生の物語でもありました。
「切れたってつながる。右と左の糸を
握手させて、撚りをかけれが必ずつながるって」
盛岡の町の人の優しさと手仕事を通して
美緒の心も溶けてゆくのです。
美緒の母親が最初は、病んでいると感じたけど
気づきがあってからは明るく
しなやかな女性になってゆくのです。
「私たち、尻尾のはえた蛙だったんだ」って
夫に話すシーンでは続く言葉にぐぐっと
くるのですがネタバレになるのでかきません。
美緒が手織りのホームスパンの
ジャケットを羽織って
「手で持ったときより、うんと軽い」と驚きます。
「良い職人の仕事は調和と均衡が取れていて
心地よいんだ」とお祖父ちゃんが言うのですが
この感じ、わかります!はたおり娘の
結城紬の着物を纏うと柔らかく暖かく
そして、軽くなっているのです。
お祖父ちゃんの暮らしや知識、ポツポツと
話す言葉がとにかくかっこいいのです。
自身の老いを感じているお祖父ちゃんが言う
「子どもと一緒に暮らした日々は本当に短い」に
うるうる涙が出ました。
息子の広志が「子どもがつくったものは
捨てられんと言った父の声がよみがえる」と
回想のシーンでは大いに泣けました。
お祖父ちゃんが幸せで良かった、本当に良かった。
終盤はテイッシュを抱えて読みました。
読み終える頃、気づきました!
栞紐がショールの鮮やかな赤色でした。
優しくて心地よいお話で、こういう本に
出会うと読書していて良かったなぁと思うのです。
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投稿者 rin5chan : 2020年2月12日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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