「いるいないみらい」 |
2019年8月19日
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窪美澄さんの「いるいないみらい」は
子供が嫌い、子供が欲しい、子供を失った
それぞれの事情で真剣に悩む人達が
五つの短編の主人公です。
「小さな花が集まって強い香りを放つ金木犀」
「ほおずきの実を鳴らす音」
映像、香り季節を感じながら読み進みました。
「小麦粉とバターとクリームの混ざったようなにおい」
のくだりでは生まれ育った家の
近くのパン屋さんの横の道を歩いた
私自身の子供の頃のことを思い出しました。
物語の主人公の子ども時代の
複雑な環境で育ったエピソードが切なく涙しました。
「選ばれなかった子供」でも、
良い出会いがあって前向きに生きていけるのです。
子どものいる未来、子どものいない未来
センシティブなテーマでありながら
深刻にならず温かい気持ちで読み終えました。
「トリニティ」に続きオススメです。
投稿者 rin5chan : 2019年8月19日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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