「アンバランス」 |
2019年8月14日
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加藤千恵さんの「アンバランス」は
冒頭からすでに怖いのです。
今まで読んだ加藤さんの小説は
青春にあるようなふんわりした題材が
多かったのですが、今作は
夫の不倫相手が乗り込んでくるという
キョウレツな始まり方でした。
信頼関係もあってある意味バランスの
とれた夫婦は互いに思いやっている。
けれども、本当のこと、一番大切なこと
伝えたいことが言えていなかった。
意識的に蓋をしていた感情が
どんどん広がってゆきそれを
押しつぶしてなくしたいのだけれど
うまくいかずさらに広がり不安になる
そんな、心理描写が繊細なことでした。
夫婦だから何も言わずとも
相手の思っていることがわかる
なんてことはあるはずもないのだから
ちゃんと伝えなきゃねと思いました。
結末はみなさんのご想像におまかせ的な
終わり方でしたが私は勝手に希望の
持てる未来を思い描きました。
投稿者 rin5chan : 2019年8月14日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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