「トリニティ」 |
2019年6月27日
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窪美澄さんの「トリニティ」は461ページ
現代、戦後、高度成長期やバブル期と
各時代の背景の描写も細やかなドキュメント風小説でした。
三人の女性がそれぞれ懸命に生きた姿に胸打たれます。
結婚、仕事、子供、さらには恋
得た物と手に入らなかった物があって
どの道を通っても後悔はあるのだろうと感じました。
がむしゃらに仕事をする母親に
愛して欲しいと心が満たされていないまま
成長した子息の語りのくだりが
泣けてなけて仕方なかったです。
子息が母親の生い立ちや
仕事を得ることの難しさも知ることから
自身が母親の影響を受けていることを認め
母親を許し愛おしさも感じ
さらに誇らしく思える時を迎える。
もう涙が溢れてとまりませんでした。
世代交代と栄枯盛衰
女の生き様、死に様が切ないくらい
見事に描かれていました。
2019年上半期読んだ中で1番でした。
投稿者 rin5chan : 2019年6月27日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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