「ワンダフル・ワールド」 | 2016年5月22日 |
いよいよ暑くなってきて窓をあけることが多くなりましたね。
風がひらりひらりと新鮮な初夏の香りを運んで来てくれます。
昨日の帰り道のこと、ふと夕暮れに漂ってくる
あまったるい香りに足をとめました。
沈丁花、金木犀と並んで三大香木と言われるクチナシの花でした。
何か「妖しい気」も感じられる香りがします。
村山由佳さんの「ワンダフル・ワールド」読みました。
大人世代の恋愛小説で薫りにまつわる五つの短編には
アロマやお香、精油 、体臭、動物の匂いが物語の
キーワード的な役目を果たしていて
一緒に暮らす猫や豆柴、インコが登場します。
登場人物で調香師の彼の
「好きな匂いの原点が祖母」というくだりがあります。
孫の僕を寝かしつけるために一生懸命あおいでくれた白檀の扇子の匂い
そして、
あれは幸せな記憶だなあ。絶対的な安心感があった。
私の好きな匂いはモコちゃんが仔猫だった頃の匂いです。
「ああ、なんていい匂いなんだろう」
掌にのるくらい小さい猫ちゃんからは
生きるチカラが身体いっぱいに発散されていました。
香水やお線香の原料になる麝香(じゃこう)は
ジャコウネコの肛門から取れる分泌物だと言うから
猫ちゃんの匂いが甘美でもおかしなことではないようです。
今も思い出せるモコちゃんの匂い。
保護猫の里親になって初めてのことばかりで
坊主と知恵をだしあって一生懸命育てたあの頃は
「親子の幸せな季節」の記憶なのでしょうね。
クチナシは、甘い香りから「喜びを運ぶ」という花言葉があるそうです。
香りにまつわる思い出ありましたら、お聞かせ下さいな。
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「あの家に暮らす四人の女」 | 2016年5月15日 |
三浦しをんさん「あの家に暮らす四人の女」は
『細雪』に出てくる四姉妹と同じ名前の
鶴代、佐知、雪乃、多恵美の四人それぞれが語り手になっていきます。
独特の軽快なリズムがあって何度吹き出したことか。
そして、途中ファンタジー系になってもゆきます。
度々、声をたてて笑ったのですが
うっとりするよな美しい表現も多くあります。
そのあたりの桜の密度といったら、
霞を通り越して、薄ピンクの積乱雲のようだった。
花のもとで宴会をしたり、そぞろ歩いたりする人々は、
さながら雲の下を行き交うツバメのごとしだ。
せわしなく囀り、ひらりひらりと人ごみを移動する。
お花見の風景が絵画のように描けるようです。
時に言葉選びの古臭さがよいのです。
「寒さを感じた」とは言わず「寒さを感受した」
遠くまで見渡せる感じを「夜空を見はるかそう」
弱弱しくはかなげな様子を「ロウソクのかそけき灯り」
クラシカルだけど、決して重っ苦しくない。
このお話の中で夢について語られるシーンが好きでした。
20代の多恵美が
「夢のない生活なんて障子紙を貼っていない障子」
「破れやすいから慎重に扱わなきゃいけませんし、
破れたらすぐ貼り替えるマメさと経済力も必要です。
でも夢という障子紙を維持してこそ、
生活は充実するんです!」
夢のない暮らしは退屈だということの例えです。
私達の仕事は、婚儀が整うと大きな達成感
そして、充実感が味わえます。
お客様の「夢を叶える」お手伝いをさせていただけることに感謝です。
なんと幸せなことでしょう。
さて、お話の四人の女は家庭菜園で採れた
野菜でもって食事を作るのです。
野菜好きとしては「そういう生活っていいなぁ」
と、読んでおりました。
最近のスーパーの野菜売り場です。
「熊本・大分を応援する」のメッセージが心強いことです^^。
今年、初めてのスイカ美味しかったです。
熊本の元気をいただいたキブンです。
今朝もいただきました熊本の太陽を浴びた
しっかりとしたトマト。
熊本・大分の農作物水産物を応援してゆきたいですね。
発生から一ヶ月、まだ地震が続いていますが
どうか早くおさまりますようにと祈っております。
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過ぎ去りし王国の城 | 2016年5月7日 |
宮部みゆきさんの「過ぎ去りし王国の城」は、
スケッチの中にアバターとなって入り込めるっていうファンタジーです。
ちょっぴり社会派サスペンスって感じもありました。
ハッピーエンドで満足(*^▽^*)
宮部みゆきさんの小説は、わりとよく読んでいて
時代小説が特に好きです。
独特のリズムがあって心地よいのです。
テレビの時代劇は観ませんが時代小説は先人の暮らしぶりも
うかがい知れるようで楽しいのです。
「おそろし」「あんじゅう」「あやし」「ぼんくら」は
淳子ライブラリーにありますので
貸し出しできます。
どうぞ、お申し出くださいね^^。
芦田愛菜ちゃんがTVで「活字好きで、読むものがないと
調味料の裏とかも読む」って言ってて大笑いしました。
私は、トリセツとかは読むの嫌いです^^;。
さて、こちら泉野図書館の駐車場です。
いま、図書館のまわりのツツジがきれいですよ☆”
お出かけくださいませ。
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本屋大賞 | 2016年4月13日 |
本屋大賞発表されましたね。
福井出身の宮下奈都さんの「羊と鋼の森」とのこと
おめでとうございます。
図書館に予約しよっかな。
写真は、私が図書館で借りた本の名前が記されている
2015年度の「貸出し資料」のレシートです。
ホント、図書館サマサマです。
まず、本は借りて読んで
おもしろかったら文庫本になったところで買って
再度読みかえしています。
さて、本屋大賞について。
小川洋子さんの『博士の愛した数式』は
ハートウォーミング系でとても好きでした。
あと、大賞で今まで読んだのが
リリー・フランキーさん『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
東川篤哉さん『謎解きはディナーのあとで』
この二冊はボウズに借りて読みました。
どちらも楽チン~に読めちゃいます。
『東京タワー』は子供の気持も
オカンの気持ちにもなれて大泣きしました。
過去の本屋大賞ノミネートの中で
おもしろかった作品達かきだしてみます。
2011年 2位
窪美澄さん『ふがいない僕は空を見た』
闇系は苦手なのですが
好きなタイプの「闇」が描かれていました。
2015年 2位
西加奈子さん『サラバ!』
図書館で借りて読みました。
読み応え有りました。
2006年 4位
東野 圭吾さん『容疑者Xの献身』
東野作品はけっこう読んでいますが
今も一番好きな作品です。
2008年 4位
吉田修一さん『悪人』
ボウズに借りて読んだのですが
結末近くでは熱いモノこみ上げて嗚咽になりました。
2012年 10位
百田尚樹さん『プリズム』
『モンスター』がおもしろかったので
「双子の小説」ってことで読みました。
テレビドラマ観ているみたいな感じで展開していきます。
図書館では、婚礼文化や金沢の歴史を調べる時の資料もよく借ります。
あー、ありがたや図書館サマサマ。
さて、読みたいと楽しみにしていて
いよいよ読み始めても「あわない」と感じることあります。
根気がないのでしょうね、そういう時は読むのをやめます^^;。
あと、イヤミス系は読みません。
あたたかい気持ちで読了したいものです。
好きな本は何回読んでも
その都度違う感動があります。
何度読み返しても泣ける本ありますよね。
モノを増やしたくないので
「本当に好きな本だけを持ってる」ってのが理想です。
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「早春賦」 | 2016年4月8日 |
山口恵以子さん「早春賦」読みました。
華族と地下人、知識階層と無教養、
主人と使用人、資産家と労働者、男性と女性
そんな様々な「差別」が
明治から大正への時代背景とともにからんできます。
財閥でありながら平民の父親が貴族との縁談を望み
主人公を公家へと嫁がせます。
女性の権利が認められなかった時代の政略結婚です。
嫁いだ夫はなんでもありな光源氏のような男性なのです。
物語の中で晩餐会を催す際のドレスコードが宮中に習って
女性はローブ・デコルテか色留袖です。
(皇室の女性は黒留袖はめされません。
皇室の正式な行事はフランス式で行うと明治時代に決められました。
戦後、美智子妃が納采の儀(結納の起源)にお振袖をめされたことから
ドレスコードが新しくなったのだそうで
紀子妃も雅子妃も納采の儀ではお着物でした。
ですが、今も皇室の公式の行事ではみなさん洋装でいらっしゃいます。)
結婚式の日は、フランス料理が三日続く披露宴だったり
銀ブラしてカフェでコーヒーとなんだかハイカラで優雅なのです。
物語は、結末近くホッとする場面があって
「あー、良かった」と一安心。
最終末の着地も良かった、ドロドロで終わったら救われません。
誇り高く生きる主人公がとにかく肝がすわっていてカッコいい
おもしろくって一気読みしました。
本と一緒にうつしたのは「ごぼう茶」です。
「ポリフェノールたっぷり」とのこと
芳しきお茶と読書、なんと贅沢なことでしょう。
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「リップヴァンウィンクルの花嫁」 | 2016年4月3日 |
山のほうに淡いピンクのボンボンがみるみる広がりました。
あの桜のもとにはどうやって行ったら
いいんだろうなんて思いながらみています(*^▽^*)。
金澤syugenそばの竹やぶでは筍の準備でしょうか。
木蓮もふっくら咲き誇りました。
岩井俊二さん「リップヴァンウィンクルの花嫁」まさに奇想天外
おもしろくてイッキに読みました。
映像化された後だとその俳優さんの声で
読んでしまったりがあるので
好きな作家の作品は映像化される前に読みたい派です。
ちょうど映画化されるらしく黒木華さんが
ちょちょい番宣に出てくるため
(映画化されるから読もうと思ったわけでないので)
「黒木華さんの声で読んでしまうのはチト困る」
と、そういう番組はさけました。
読んだ後に、「リップヴァンウィンクルの花嫁」映画HP観て
安室役や真白役を演じる俳優さんを知り
「ふむむ」です( •ॢ◡-ॢ)-♡。
この小説は、「泣いた赤鬼」から始まります。
生まれて初めて本を読んで涙したのが「泣いた赤鬼」でした。
小学生の私は、青鬼が可哀想すぎる
赤鬼もどんなに辛かったろう。。。
と、胸を痛めました。
今思うと、もしかしたら青鬼は「好きな友達を幸せにしたこと」で
幸せだったのだろうか・・・・・。
とにかく、ハッピーエンドじゃないお話をいたいけな子供に
読ませないで欲しいものです。
「リップヴァンウィンクルの花嫁」は着地に救われました。
主人公が可哀想なまま終わったら後味が悪いものですから。
コミカルなミステリー、ラクチンに読めてオススメです。
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真っ白い「繭」 | 2016年3月25日 |
金澤syugenそばの木蓮の樹の蕾がふくらみました。
真っ白い花びらが満開になると、
小鳥がとまっているかのようにみえるのが木蓮。
毎日、ここを通って花びらがひらいていくとこを
見られるのが楽しみです。
真っ白い表紙、青山七恵さんの「繭」読みました。
繭の中にいるような閉ざされた中でもがく人。
この小説、DVが大変なことなのです。
男性から女性への暴力だとリアルで読めなかったと思います。
「愛しているのに、夫にDVする女性」のお話は
残酷だから読みたくない
でも、読んでしまう・・・と、すすみます。
舞と希子どちらにも共感はできなくて
私だったら「ありえない」と感じました。
ま、だから読書は楽しいわけです
いろんな人生が経験ができて(o^∇^o)ノ。
おかげさまで毎週末、結婚式の
お手伝いをさせていただいています。
ちょうどこの時期に読みたくて「予約」
しておいた本が同時に届く。。。
図書館の本には期限あるから
買って読んだほうがいいんだよね
自分のペースで読めるから・・・・・
なんて、思ったりもします。
でも、図書館ならではの本との
「出会い」があって
やっぱやっぱ今日もちょこっと行って来ましょう。
2016年3月25日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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「霧 ウラル」 | 2016年3月20日 |
昨日は、白山比咩神社さん挙式&和田屋さん披露宴で
鶴来は、幻想的な霧に包まれてました。
先日、全国的に濃霧注意報の日スカイツリーで
雲海がみられたそうです。
雲海は、いつかはみてみたいものです。
真冬に桜木紫乃さんの「霧」読みました。
昭和の街並みや暮らし
好きな男への一途さ
女の意地ってのが
根室の厳しい寒さに暗く重なって
湿度をいっぱい含む描写にクラクラ。
主人公珠生の女の心情を着物を使って描く場面に惹かれました。
いくつかピックアップしました。
新しいものに袖を通そうという気分になるときは、
心が前を向いているときなのだろう。
繭から始まった糸の、細く長い旅の果てだった。(略)
時代を経ては羽織り継がれる絹物にも、
枝や新芽を伸ばす命が宿っているような気がするのだ。
本当の鬼は、驚くほど優しい顔をしている
帯は女の強さと潔さを引き出すのだなと思う。
「女の丸い体を包む平らな布は好いた男に似て身に着けるたびに肌に添う」。
冬草履の鼻緒に力を込めた。
着物の描写シーンは、想像しながら文字を追うのも楽しかったです。
母性愛が強い珠生
駆け引きする時の腹のすわった感じもかっこよく
私はけっこう好きな小説でした。
「任侠モノ」っていうジャンルなのかな
ゾックゾク気持ちざわつきおもしろかったです。
2016年3月20日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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「異類婚姻譚」 | 2016年3月6日 |
石川県出身の本谷有希子さんがお書きになった
芥川賞の「異類婚姻譚」読みました。
異類婚姻譚(いるいこんいんたん)とは、
人間と違った種類の存在と人間とが結婚する説話の総称。
世界的に分布し、日本においても多く見られる説話類型である。
思い浮かぶ異類婚姻譚のお話。
「鶴の恩返し」は、お通の健気さと
人の欲にせつなくなるお話でしたね。
「美女と野獣」は京都に劇団四季がある時
観に行きました。
「ビー・アワ・ゲスト」の曲で、ベルと食器が踊るシーンに
「楽しいことが始まる~」とワクワクしました。
あと、大阪城ホールにてディズニー ・オン・アイスでも
「美女と野獣」観たことがあります。
氷上にライトがあたってできる影の動きもきれいでした。
黄色いドレスでベルが現れると華やかなハッピーエンド♫
大好きなお話です。
グリム童話の「かえるの王さま 」小さい頃、
挿絵がきれいで大切にしていた絵本でした。
ハッピーエンドが嬉しかったです。
先日、花嫁OB様の紀代ちゃんからです
「気まま図書館」
開館おめでとうこざいます
きっかけが私(※)だなんて…ぃやはゃ、なんとも恐縮です(^ー^ゞ
私も嬉しいです♪
やはり、直ぐさま行動とれる姉さんには、脱帽です(*’▽’)
気まま図書館これからも楽しみにしてます♪
…でも、姉さんの帯や感想を読むだけで、
お腹いっぱいに?読んだ気に?なってしまいます(笑)
侑耶も負けじと本を借りるー!!と今宵の絵本は
「おつきさまこんばんは」です
(※)http://www.kanazawa-syugen.jp/_wp/?p=62380
さて、本谷さんの「異類婚姻譚」
粗相をする猫を捨てに行くくだりがあるのですが
辛くなって涙しながら読みました。
猫好きさんは悲しいキブンになります、きっと。。。
2016年3月6日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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「光のない海」 | 2016年3月2日 |
昨日は宇多須神社さんにお朔詣りです。
「一昨日はおかげさまでいい結婚式になりました」と
お礼と報告させていただきました。
境内の桜の樹はつぼみをつけはじめていました。
弁天さん ゑびすさん 毘沙門さんも
白い帽子とマントを羽織られたような風情です。
白石一文さんの「光のない海」読みました。
この小説、和食やお寿司、イタリアンと
食事のシーンが多く
主人公と食と酒のこのみがピッタリなもので
臨場感ある描写に度々「飲みたーい!」となってまいます。
もちろん、読書中は「飲酒&おやつ禁止」と決めております。
主人公のなじみの「能登味」というお店にて
一杯目の酒は手取川の大吟醸
岩牡蠣は濃厚で口の中でとろけるようだ
いつも通り天狗舞に切り替える
のど黒のあぶりと岩たこのポン酢和え
なんとも美味しそうなのです。
主人公の好きなお酒は「天狗舞」のようです。
「麦や米の焼酎より芋焼酎が好き」ってとこも
「ですよねー^^」です。
さて、物語は中盤あたりから大いにキナ臭くなってきます。
経済小説的なスパイスもあって
銀行の陰謀や影にいる男との対決などもあり
男性もきっと楽しく読めると思われます。
この人生を
チョークで書いた黒板の文字
と比喩。
このテーマを書きたかったのだと思います。
絡み合って結びつけたり解いたり
紡いだり曲げられたり
ああ、おもしろいんです。
「光のない海」オススメの一冊です。
「百年の孤独」「山ねこ」「獺祭(だっさい)」
お料理にあう日本酒や焼酎の名前が出てくるのも
楽しめました。
2016年3月2日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »