「猫をおくる」 | 2019年12月6日 |
野中柊さんの「猫をおくる」は
図書館の本棚で「猫」の文字が目にとまり
表紙の絵がきれいなので借りました。
登場人物がみんな優しくて、それぞれに
離ればなれになった大切な人がいます。
その痛み、寂しさ、苦しさを
猫に癒やされ続けるのです。
そして、のちに猫に守られていたと感じるのです。
猫との出会いを
「猫が見つけたのだ」
「猫が選んだのだ」
人間が猫に選ばれて縁あって
猫と共に生きるのだ
は、わかる気がします。
作中に何度も出てくる
「片目が見えないヨーヨー」
「タキシードキャット」が
ちょうど友から送られてきたばかりの
写真の保護猫ちゃんと重なりました。
左のひーちゃんは赤ちゃんの頃から片目を患っていて
右の子はまさしくタキシードちゃん\(^_^)/。
お話の中で猫の仕草が描かれていて
お空にいったウチの愛猫モコミチを
思い出し笑ったりジワっときたり。
モコミチのくたくたに柔らかい感触や
日向のにほいを吸いながら
一緒に眠った幸せを思い返しました。
辛い時悲しい時、猫に救われます
(猫動画好き^^v)。
穏やかな気持ちになれるお話達でした。
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金澤syugenは、衣装コーディネート、
生家ご出立や挙式サポート、少人数様の結婚式、
フォトプロデュース、オリジナルアイテムのデザイン、
会場紹介などポイントサポートもいたします。
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「逃亡小説集」 | 2019年11月27日 |
「逃亡小説集」は、実際にあった事件が
モチーフの逃亡をテーマにした短編集です。
「逃げろ九州男児」は正直者で
騙されてばかりの男性が、警察に追われ
老いた母親を車に乗せながら
逃げまわっている時の回顧録です。
すべて失ったと感じている男性では
あるけれど「友情」があったことを
終盤に感じて救われました。
「逃げろ純愛」の女性教師と教え子男子の
禁断の恋は甘美で二人の交換日記は
夢見心地で切なくもありました。
が、大ドンデン!
最後の1ページでやはり吉田修一作品でした。
「逃げろお譲さん」は容疑者の
元アイドルが逃げるのです。
それまで仲が良かった人達からも
拒絶されるくだりが辛いのですが
後半は、コミカルでおっかしくって
それはワッハッハってな笑いじゃなくって
片方の唇の端が持ち上がるようなおかしさなのです。
元アイドルのファンの善良さが良かったです。
「逃げろミスター・ポストマン 」
氷点下の凍った氷の海を歩き出す
ラストシーンは唐突ではあるけれど印象的でした。
逃げ出してしまいたくなること
消えてしまいたくなることは
誰にでもあると思います。
けど、「時間って優しい」っていつも思うのです。
苦しいこと辛いことも時間がたてば
和らいで癒やされること多いですよね。
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「ツナグ」 | 2019年11月21日 |
「ツナグ」の続編「ツナグ 想い人の心得」を
図書館で予約したので、その前に読んでおかねば
と、「ツナグ」の文庫本を購入しました。
死者と生者をつなぐ使者(ツナグ)。
生きている人間が望み、死者が受け入れれば、
一夜限り、一生に一度、
死者の側も一人だけ
再会が叶うと言うファンタジー小説です。
結婚直前に彼女が失踪した話は
泣けました。。。
読後感は爽やかでした♫•*¨*•.¸¸♪✧
が、女子高生の友情を描いた「親友の心得」では
若い女子にありがちな残酷さにヒヤリとします。
近しい人への嫉妬、
自分の感情がコントロールできない苦しさ、
通ったみちゆえに、共感できるものもありました。
最終章、主人公のアユミが会いたい死者は誰?
気になるも小説の残りページは
わずかしかなくってこんなページ数で
描けるの?などとドキドキもあって
残りページの厚みを左手の指先で
確認しながら読み進めました。
とてもホッとしたキブンで終われて大満足( •ॢ◡-ॢ)-♡
闇を含んだミステリーですがあたたかくもあり
とても感動しました。
新作、早く読みたいなぁ
図書館の順番が来るのが楽しみです。
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「木曜日にはココアを」 | 2019年11月14日 |
昨日は小春日和の一日だったのですが
今朝は大嵐でしたね。
一雨ごとに寒くなって熱いココアの
美味しい季節になりました。
青山美智子さんの「木曜日にはココアを」は
それぞれの独立したお話が
日常のささいな出来事で繋がっていて
知らずに誰かの癒やしになったり
癒やしを受け取ったり、
そんな素敵なことが起こります。
各章にテーマカラーがあって
シドニーの町を描いた
オレンジとターコイズの章が好きです。
小説って自分の知らない場所に行けたり
経験できたりが楽しいですよね。
一生行くことはなかろう(飛行機怖っ)
色彩豊かなシドニーの街を
体感できたキブンです\(^_^)/。
明るい未来が予感できる穏やかな終わり方で
心に休息が欲しい時にまた
読み返したいと思いました。
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「極上の罠をあなたに」 | 2019年11月6日 |
深木章子さん「極上の罠をあなたに」は
四つのお話が便利屋で繋がっている
背徳のミステリーです。
政治家、医師、刑事、弁護士といった
登場人物が悪人ばかりでこういう裏社会が
あるのかしらん。
罠を掛けたつもりが罠を掛けられます。
便利屋が悪人たちを翻弄し小気味良く
悪事の連鎖が解きほぐされていくのです。
作者がもと弁護士さんということでの
臨場感もあるようです。
今回、興味深いのは深木さんの経歴です。
60歳過ぎての小説家デビュー、
それまでの経験を文筆活動にいかされていて
現在72歳で物語に鮮やか仕掛け
なんともかっこいい女性です。
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「魔法がとけたあとも」 | 2019年11月1日 |
奥田亜希子さんの「魔法がとけたあとも」は
病気の不安、容姿のコンプレックス、
家族との諍い、仕事の行きづまり、
人との距離の測り方に迷う、などなど
誰もが抱える日常の中の負の部分が描かれています。
若さや健康や美貌、可愛いかった我が子、
恋するときめき、順調にまわっていた仕事、
それらは、すべてある意味「魔法」であると。
魔法がとけたあとも生きていかなきゃいけないし
あとの時間の方がはるかに長くて辛いわけで。
どのお話もほんわかあたたかく
最後は晴れやかな気分になれます。
日常にありがちな悩みを抱える
主人公が一歩前に進む瞬間が描かれています。
追記
魔法がとけたあとも魔法の中にいた時の
記憶にはげまされることがあります。
幸せな瞬間の写真は大切ですね。
写真を見返すと宝石のような時間が
よみがえってきますから(*^_^*)。
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「ライオンのおやつ」 | 2019年10月29日 |
小川糸さんの「ライオンのおやつ」は
死をテーマにしているのですが
ファンタジー感もあってあたたかな気持ちになれる物語でした。
余命宣告を受けた33歳の雫が選んだ
終の住処ホスピス「ライオンの家」は
柑橘の香りがする瀬戸内の海が見える島にあります。
「生まれることと死ぬことは背中合わせ」の
くだりが印象的でした。
「入り口は反対側から見たら出口」と。
ああ、なるほど
と、心地良く腑に落ちます。
「生きることは、誰かの光になること」
すでに意識が遠のいている車椅子の雫が
大切な人に「別れの悲しみではなく、
美しい海と空と光の記憶」を残してあげたいと
葡萄畑に行くシーンはもう顎先まで水浸しになりました。
夕食後、読みだしたら止まらなくなって
最終章手前では、嗚咽になるくらいに泣いて
翌日、目が腫れあがりました。
あと、最期に食べたいおやつは
何かなってあれこれ記憶のカケラを取り出し楽しみました。
心を浄化したい時に、繰り返し読みたいものです。
かなりのおすすめです。
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「スナック墓場」 | 2019年10月25日 |
嶋津輝さん「スナック墓場」は昭和の
懐かしい邦画を彷彿とさせる七つの人情話です。
表題作「スナック墓場」まさに、レトロな
場末のスナックが舞台の切なくなるお話でした。
一番好きなのは「駐車場の猫」です。
いつもの地域猫を見かけないと
不安になる主人公の気持ちわかります。
金澤syugenの通勤の道中
いつもの時間にいそうな子がいないと
どうしたのかな
誰かに保護されたのかな。
だったらいいのだけど
などと考えますから。
特別なことも起きず、各章は
結末らしくないぼんやりとした結末があって
きっとこんな日常がつづくのだろうなぁと
想像できる平和なお話しでした。
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「のっけから失礼します」 | 2019年10月21日 |
三浦しをんさんの自虐ネタエッセイ
「のっけから失礼します」は
ノリツッコミも軽快で何度も吹き出しました。
「心を動かされると、文章化したい」
すごくわかります!
私も感動すると稚拙ではありますが
文字にしたくなります。
しをんさんは、すごく知的なんだけど
子供みたいに脳内妄想がとまりません。
身近の出来事をいろんな角度から観察していて
日常に「あるかもね」くらいのことも
特別に楽しい出来事にしてくれます。
擬人化や比喩が秀逸で、例えば
オンボロな自転車を「うちのぼうや」と言い
まるでその自転車に意思が
あるたみたいに書かれているのです。
心がきれいな人しか見えないインクで
書かれた巻末おまけ、私には見えました!
和歌山アドベンチャーワールドの
楽しさはわかります!
坊主と開演前から順番ついて
1日20組限定だったかの
「パンダ舎バックヤードツアー」と
「イルカとふれあい体験」をゲット!
もてもてパンダの永明パパの勉強もして
ぐうたら感いっぱいのパンダ舎で
リンゴのおやつあげ体験しました。
イルカにイワシをあげてイルカの肌に
触れたらツベツベのゴム長靴の感じでした。
あと、フラミンゴの羽根は高貴な触感で
ペンギン撫でたら手が生臭くなりました。
人間がオリに入ったカタチの車での
サファリツアーでライオンにトングで
生肉あげるのはびびりできず坊主にまかせました。
キリンに歩道橋みたいな高いとこから
エサをあげるのは平和な感じです。
赤ちゃんパンダは、たまらなく
可愛くて5回見に行きましたっけ。
閉園までいたので動物や鳥たちが
各お部屋に帰って行くところも
見られました。
飼育員のお姉さんと歩くカピパラと
しばらく一緒でカピパラがトコトコ
先に歩いて違う通路に行きお姉さんに
呼び止められて「あ!間違った」って
顔が可愛いらしいことでした。
あと、飛行機が嫌いもわかるわかるでした。
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金澤syugenは、衣装コーディネート、生家出立や
挙式サポート、オリジナルアイテムのデザイン、
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2019年10月21日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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「縁 YUKARI」 | 2019年10月18日 |
小野寺史宜さんの「縁」は心がほっこりするような
五つのお話が繋がってゆきます。
笑顔がいいのは強い、泣き顔より笑顔、真顔よりも笑顔。
っていい言葉でした。
日常のイラつきや妬みや虚栄心、
人のココロの奥底に潜む闇な部分が
穏やかに描かれていて
嫌な気持ちにならずに受け止められました。
読後、最終章で主人公のもとに
靴を直しに来た人って誰だったんだろう?
って、読み返し、ああ、きっと!(*^▽^*)
そんな明るい未来を想像できる
終わり方をするお話は好きです。
ほんの少しの幸せが日々の励みになって
人は生きているんだなぁ。
人との縁はどこかで繋がっていて
大切に結んでゆきたいと感じました。
2019年10月18日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »