「ムーンライト・イン」 | 2021年5月11日 |
中島京子さんの「ムーンライト・イン」は
訳有りの5人の視点でかわるがわる語られています。
それぞれの事情があって悩みと秘密を持つ
年代がバラバラの3人の女性と2人の男性は
薔薇の花咲く高原の元ペンションの
シェアハウスにて絶妙な距離をとりながら
しばらくは平和に過ごせます。
人生に起こる予想外の展開に戸惑う姿も人間らしくていい。
「普通がいちばん。なんでもない毎日って
すばらしいですね」という作中の言葉が
コロナ禍にある今だからなおさらに本当にって思えます。
非正規雇用、介護トラブル、親子の確執、
日本人男性の父親に会うことも叶わない
フィリピン人女性(この女性の個性が光っている!)、
外国人労働者、様々な差別など
日本が抱える問題に触れつつも
美味しそうな料理の描写もあってか
深刻になりすぎずです。
高齢者がコミカルに可愛く描かれていて
リズムもよくとぼけたおもしろさもあります。
老人のロマンもあっていいさ。
終盤にむけてみんながいい方向に進んでゆき
若者の成長も見届けられて
みんなが幸せになりますように読み終えました。
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金澤syugenはオーダーメイドの少人数の結婚式、
生家ご出立、挙式、フォト婚のサポートもいたします。
衣装コーディネート、オリジナルアイテムのデザイン、
和婚式の会場紹介などポイントサポートもご相談ください。
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「命とられるわけじゃない」 | 2021年5月7日 |
村山由佳さんの「命とられるわけじゃない」は
愛猫との暮らしを綴ったエッセイで
このシリーズはずっと読み続けています。
ニューフェィス猫ちゃんのお絹ちゃんの
人なつっこさや鳴き方に近所の地域猫の
ちくわちゃんのことを何度も思い出しました。
お絹ちゃんの出産シーンではボロボロ
泣きながら応援し逆子で生まれたBABYちゃんも
元気そうで良かったよかったと胸をなで下ろしました。
村山さんの母親との確執や長兄との断絶
二度の離婚があったことも猫ちゃん達との
軽井沢での生活とともに思い出として語られています。
先住猫の銀次くん目線の最終章が良かった。
猫との暮らしってことだけじゃなく
老いてゆくこと、お別れのしかた、
看取りかた、旅立ちかた、そんな切ないことも
関西弁の語り口で優しく諭される感じが良かったなぁ。
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「広告の会社、作りました」 | 2021年5月4日 |
中村航さんの「広告の会社、作りました」は
軽い感じで読み始めたら冒頭、広告デザイナーの
主人公が勤める制作会社が突然倒産します。
社長が解雇を社員に伝えるシーンで
今の時代のこともあって泣けてきました。
ちょうど1年前、金澤syugenのご近所さんの
企業さんの倒産を思い出しました。
金澤syugenの新郎新婦様の多くがその雑誌の
取材をうけ誌面を飾ってくださいました。
「金沢のしきたりたしなみ」の特集では
婚礼の記事の監修をさせていただくなど
ご縁のある会社さんでした。
この時、大勢の卒業新郎新婦様から
さぞショックを受けていることだろと
私に気遣っての優しいお声が沢山届きました。
金澤syugenの新郎新婦様達ってどこまでも優しいです(❤╹ω╹❤)。
「広告の会社、作りました」は
期待以上に楽しめたお話でした。
主人公が出会った格好いいコピーライターに
影響を受けて今まではなかった能動的なスタイルで
活動をするようになり仕事ががぜん楽しくなります。
人との縁や出会いも良かったなぁ。
「仕事は愉快に上機嫌に」って姿勢がいいですね。
お仕事サクセス小説が好きです。
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「やわらかな足で人魚は」 | 2021年4月30日 |
アンデルセンの「人魚姫」は人魚が愛した王子を
殺められず泡になるという悲しくも優しい物語です。
劇団四季のミュージカルも見に行ったことが
あるのですが可愛らしい舞台でした。
東京ディズニーシーの「マーメイド・ラグーン」は
きれいで楽しくて続け様に2回入っちゃいました(ू•ᴗ•ू❁)。
香月夕花さんの「やわらかな足で人魚は」は
ファンタジーっぽいのをイメージして
読み始めたらなかなかの社会派でした。
五つの短編は暗い悲しみを抱えている人達が主人公です。
実親から子への虐待、振り込め詐欺、
恋人のために風俗で働く女性の危うさなど
どれもにゾワっとするおどろおどろしさが
あるのだけど繊細な文章で綴られていて
どこか脆く儚い雰囲気が漂っています。
かすかな光に救われました。
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「新 謎解きはディナーのあとで」 | 2021年4月26日 |
東川篤哉さんの「新 謎解きはディナーのあとで」は
軽く読めるユーモアミステリーです。
10年前このシリーズの一作目をうちのボウズに
「読んでみる?」と手渡されて読んだのが出会いでした。
その後、テレビで映像化されたことが
記憶にあるため執事の影山は櫻井翔さん
お嬢様は北川景子さんがちらつきます。
ですが表紙を見る限り執事役の影山は
櫻井翔さんとは似ても似つきません。
なので執事の声は低くて重厚感ある声に
脳内で変換して楽しみました。
風祭はますます面倒くさい人物になっていて
「うっせぇうっせぇうっせぇわ」のフレーズが
浮かんでくるような愉快なキャラクターが際だっていました。
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「ベンチの足」 | 2021年4月23日 |
佐藤雅彦さんの「ベンチの足」を読むと
日常の中にある「妙」について考えてみたくなります。
表題作の「ベンチの足」は、著者がある日
公園で設置される前のベンチに出会い
普段見ているものよりずっと足が長いことと
その根元にコンクリートの
大きな固まりがある姿に驚きます。
そして、地面の中に歯根のごとく長い足と
地中には重たいコンクリートが埋まっていることから
台風が来ても飛ばされないのだと納得します。
そこから、真の「支える」ということに想いをはせます。
世のお母さんは感謝されることを期待して
子供に愛情をそそいでいるわけではないから
子供からの感謝の言葉には泣きたくなるのだという風に発展します。
「〇〇問題について考えてみよう」という課題の章があって
私も日常の中での小さなひっかかりを整理してみました。
この作業、けっこう楽しく脳内の整頓ができる感じです。
「ピタゴラスイッチ ♫•*¨*•.¸¸♪✧」と何度
思わず口ずさんだことでしょう。
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「いっちみち」 | 2021年4月20日 |
乃南アサさんの「いっちみち」は家族をテーマにした
ミステリー短編8作品です。
表題作以外はホラーと言って良いでしょう。
登場人物達にとてつもない狂気や毒を感じつつも
どこか人間味があり時々は滑稽でもあります。
平成前期にかかれた作品で公衆電話で自宅の
留守電の伝言を聞く(すごくハイテクだった)とか
お金をおろせる時間が限られているや
恋人をアベックと呼んだ時代
ほんの20年でこんなにも世の中が
変わったのだとあらためて感じました。
表題作「いっちみち」のみが最近かかれた作品で
コロナの自粛前の頃の設定です。
いっちみちは大分県の方言で
「行ってみて」と意味合いらしいです。
辛すぎる過去ばかりの主人公が
旅をしたことで人生の黄昏時の手前に
神様からのご褒美のような幸せがあってホッと読み終えました。
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本屋大賞のことと「悪女の品格」 | 2021年4月15日 |
昨日は本屋大賞の発表があり町田そのこさんの
「52ヘルツのクジラたち」が大賞に選ばれました。
青山美智子さんの「お探し物は図書室まで」が
2位に選ばれたことも嬉しかったです。
以前、本屋大賞ノミネートの発表があった時
このブログで紹介したところ青山さんご本人から
とても素敵なメッセージをいただきました。
憧れの作家さんからのメッセージは
私にとっても大きな励みになりました。
青山さんのこれからの作品も楽しみヾ(*・∀・)/
今日の気まま図書館です。
辻堂ゆめさんの「悪女の品格」は承認欲求強すぎの
歪んだ女性の物語でした。
主人公が過去の学生時代に犯した陰湿ないじめを
交えながら、物語は進行します。
いじめられていた方は一生の傷を抱えるのに
いじめていた方はそんなことあったかなくらいの
ことらしく不快になります。
主人公が「悪女の品格がない」と言われるシーンが
ありますがまことにその通りと思いました。
結末は、まあまあスカッとします。
ほっこり癒やし系が好きですが時々は悪女系も
刺激あって楽しめました。
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「ほたるいしマジカルランド」 | 2021年4月12日 |
寺地はるなさんの「ほたるいしマジカルランド」は
月曜から日曜までの一週間を一話ずつ
遊園地で働く人々にスポットをあてた連結短編集です。
大きな何かが起こる訳では無く
少し退屈になっていたら水曜日の
清掃員さんの章でしっかりつかまれました。
主人公は離婚して親権がとれなかったのですが
元夫の再婚相手の女性が子供のことを
節目節目に知らせてくれて読みながら何度も
「いい人や」と独りごちていました。
みんなの日常は少しずつ繋がって
誰かに小さな影響を与えています。
「他人は自分の人生ドラマに現れたり
消えたりする登場人物のようなもの」と。
ありふれた日常に見えても、誰もがかけがえのない
人生の主人公であることを感じさせてくれます。
「遊園地は、なんのためにもならないものが、
ごくあたりまえに存在する。それこそが豊かさだ」
コロナの今の時代今はこの言葉が染みました。
辛い事柄も関西弁で語られると、不思議と
おもしろく消化できる感じで深刻な展開にもならず
ほっこりできるような読後感でした。
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「俺と師匠とブルーボーイとストリッパー」 | 2021年4月9日 |
桜木紫乃さんの「俺と師匠とブルーボーイと
ストリッパー」は両親の愛情を受けたことがなく
希薄な人間関係の中で生きてきた青年が主人公です。
住まいするキャバレーの寮で
それぞれに寂しさを抱えている旅芸人の
手品師とゲイの歌手とストリッパーとの同居生活が始まります。
釧路の凍えて湿ったモノクロの
やるせない日々を送っていた主人公が
三人の優しさに触れ孤独感が癒され
徐々に自分の心を取り戻してゆく様が
ユーモラスに描かれています。
僅か1ヶ月の暮らしだったけど
人の温かみを知りしっかりと人生に向き合い
歩み出す姿に心あたたまりました。
追記
1ケ月暮らして、トイレ事情は詳細ありすぎなのに
お風呂と洗濯の気配(水を止めている)が
なくって気になってしかたありませんでした^^;。
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