「神さまのいうとおり」 | 2021年6月15日 |
谷瑞恵さんの「神さまのいうとおり」は
昔の風習を絡めた6つのお話が繋がっています。
生まれた子供を橋の下に捨てる(もちろん
拾う役がいる)や猫の集会、古民家にいる小鬼、
嫁入りの決まり事、刺繍の背縫い、雛人形、
杉玉、疳の虫などなど昔の人の知恵や言い伝え、
おまじないや魔除けの風習は科学的ではないけれど
不思議とどうにかしてくれる、願いを叶えてくれる気がします。
着物の背縫いは魔よけの意味があると言います。
その昔、石川でも加賀刺繍で飾り縫いをする
「背紋飾り」をお守りとして背縫いの無い
子供の着物に付けられていたと聞きました。
庶民の着物に背守として縫い付けた
押絵はアップリケぽくって可愛いのです。
いつの時代にもどの地域でも母親が我が子を思う気持ちは尊いものです。
からまった糸をほぐす様子を人間関係に
例えていたり、あったかくて
各章の結びでほろりときます。
田舎町のゆったりとした空気にも癒されます、オススメです。
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金澤syugenはオーダーメイドの少人数の結婚式、
生家ご出立、挙式、フォト婚のサポートもいたします。
衣装コーディネート、オリジナルアイテムのデザイン、
和婚式の会場紹介などポイントサポートもご相談ください。
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「エレジーは流れない」 | 2021年6月11日 |
三浦しをんさんの「エレジーは流れない」は
寂れた海沿い温泉街で「母親が二人いる」という
環境に育つ少年と彼を取り巻く人々のお話です。
高校生の主人公がとにかくいい子なのです。
生い立ちに疑問を持ちながら反抗もせず
家の店番をし夕食の支度もし弁当も自作。
友人に恵まれ自分の家だけじゃなく
互いの家業のお手伝いにも行き来する。
寝ても寝ても眠たいさかりの年頃で
ともすると遊びに行けば加減がなくなるもの。
が、この主人公は勉強もできるのです。
同級生たちがいい味を出していて
脳筋と思わせておきながら
案外と細やかな思いやりがあったり
穏やかに見えても熱いものを持っていたり。
愉快な仲間たちと悩みながらも
成長してゆく青春小説でした。
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「日向を掬う」 | 2021年6月8日 |
朝倉宏景さんの「日向を掬う」は笑いながらも
度々、涙したユーモラスな家族小説でした。
精子提供という出生の事情に傷つき
自分の存在を否定する中学生の女の子の
頑なな心が、頼りなく甲斐性なしの
残念すぎるダメダメな父親とその周囲の
優しさにほぐされていく過程がなんともいい。
我が子が生まれた時「命がけで守る」
って強く思ったこと覚えています。
なんならお腹に命がやってきた時から
「この子のためなら」って覚悟したものです。
ボウズはたまらなく愛おしい存在で
それまで身体の中になかったような
感情を知ることができて本当に幸せでした。
ボウズが笑っていると我がこと以上に嬉しかったものです。
なかなかうまくお話できずの子が
3歳の頃、寝かしつけていると
「かちゃん(お母さんと言えない)に
キラキラの宝石、買ってあげる」
「どこで?」
「ご飯食べたお店☆”」
ココスのことだね
おかしくて可愛いくって涙が出たなぁ
S音をうまく発することができない
あの頃の言葉の質感まで思い出せます。
誰かを幸せにするために生まれてきた
命の堂々巡り
人は存在することだけで
他の誰かを幸せにできるし
救い救われ生きているっていう
家族の愛に気づかせてくれるお話でした。
読みやすかったから1日で読み切りました。
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「カード師」 | 2021年6月4日 |
中村文則さんの「カード師」は占い師で
違法賭博のディーラーを生業とする
洞察力するどい男性が主人公のミステリー小説です。
神話、物理学とともに様々な時代の信仰、
犯罪、災害、貧困、差別、戦争、疫病、魔女狩り
などなど、そしてさらに主人公の幼少期の
トラウマなども詰め込まれています。
人の持つ残酷さは恐怖で度々、気分が悪くなり
難しくって辛くって暗くなりながらもなんとか
最後まで読むも、よくわからんないことの
ほうがやっぱり多くて。。。
10代の頃、クラスでマルキド・サドが
流行って背伸びして文庫本を読んだ時の
「理解できない」あの感じを思い出したりでした。
スマホを観ていたら前頭葉が抑制されて
考えることができなくなり小説も
読めないくらいになっちゃうよという教訓を
はい、ほどほどにしますと自身の戒めにしました。
良き方向に向かえるように背中を押す一言
そんな存在の占いは未来にもあって欲しいなぁと思いました。
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「ひきなみ」 | 2021年5月31日 |
千早茜さんの「ひきなみ」は二人の小学生の
女の子が瀬戸内の海で出逢うことから始まります。
出自や経歴からの差別や偏見
そして、性差別があからさまにある
そんな田舎特有(時代もある)の
閉塞感に苦しむ二人の成長と交流が描かれています。
船で島を行き来する海の描写がきれいで
10年前にボウズと行った直島を幾度も思い出しました。
草間彌生さんの大きな赤色かぼちゃの中に入って
サザエさんの曲を口ずさむとエコーがきいて
キブンが良かったなぁ。
自転車を借りて島一周は登り坂こいでこいで
しんどかったけれど高台から観た青緑色の海が
キラキラきれいで瀬戸内海が大好きになって。
島のあちこちの開放的な現代アートを散策して
きれい ♫•おしゃれ*¨*•.¸¸♪✧ってのも
ナンナンダ??ってオブジェも楽しくて。
ウルトラマンの整列が愛らしかったなぁ。
ベネッセのレストランでおやつに海老天丼を
一つ頼んでボウズと半分ずっこ✦
そこからまた古い街並みを散策しながら
自転車で下ってゆくと民家にカフェの
看板があって縁側でピザを半分ずっこ✦
仕上げに直島銭湯 「I♥湯」でひとっ風呂あびたいという
ボウズを待つあいだ港で凪いだ海を眺め
ソフトクリームを食べてゆるりと過ごしたことなどなど。
うん、素敵な島(ू•ᴗ•ू❁)
小説の最終章でやっぱ直島だったのかしらんって思いました。
大人になった主人公が生きづらさを
感じながらも我慢する姿はなんとも
もどかしく話ができる人が一人でもいれば
心が楽になれるのに・・・っと、感じました。
二人が囚われから自由になれそうな未来を
想像させてくれる終わり方でした。
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「この場所であなたの名前を呼んだ」 | 2021年5月27日 |
加藤千恵さんの「この場所であなたの名前を呼んだ」は
様々な形でNICU(新生児集中治療室)に関わる人々が
主人公となって語る連作短編集です。
それぞれが自身の生活の中でも苦悩を抱えてる
医師、看護師、清掃員、臨床心理士そして母親達。
「願う場所」の章で旅立つ新生児を見送る
医療スタッフの尊い姿勢、そして
パパとママの深い愛情にもう大泣きしました。
私も緊急の帝王切開だったので
産後は喜びよりも不安ばかりの
辛い日々を過ごしたことを思い出しました。
「誰もがみな、無意識のうちに、赤ちゃんは
元気に生まれてくるし、すくすくと育っていくものだと思っている。」
母親が自分を責めたり、愛おしい我が子から
目を背けたくなったり、落ち込む気持ちもよくわかります。
最終章、こみ上げてくる感動に震えました。
辻家の墓が誰のお墓だったのか
はっきり書かれていなかったけれど
読み終えて「なるほど、きっとそう」と
余韻に浸りました。
命の大切さを改めて考えさせられました。
オススメです。
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「モモコとうさぎ」 | 2021年5月24日 |
大島真寿美さんの「モモコとうさぎ」は
自分探しをするモモコと不思議なうさぎの放浪記でした。
女子力たっぷりのファンタジー小説かと
思いきや勢いがつくと改行のない文章が
何頁も続くこと多々あって目が疲れ息も絶え絶えです。
自分が好きなこと、人から喜ばれること、
やりたいことを発見して
モモコはモモコを見つけたのでした。
自分らしく自分を極めていく事が
仕事や人生に繋がっていけば
それは、とても素敵なことだなぁと感じました。
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「僕と彼女の左手」 | 2021年5月20日 |
辻堂ゆめさんの「僕と彼女の左手」は
テンポ良きハートフルミステリーでした。
子供の頃の列車脱線事故のトラウマから
挫折する医大生と、右手が不自由で
左手だけでピアノを奏でる少女の微笑ましい
ラブストーリーでまったくミステリっぽさは感じられず💓
だったのが中盤以降、謎が膨らんでゆきます。
終盤、伏線回収で、あ、そか、そういえば、
そういうシーンあったね、そういうことね
っと、なるのす。
事故という題材ゆえに事故現場や心情の
描写とかで苦しくなるのかもと心配したけれど
登場人物がみんないい人で心があたたまりました。
終盤、泣いた泣いた大いに泣いた。
ところどころ文字からピアノの音色が
聞こえてくるように感じられる作品でした。
一気読みがオススメです。
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「男の子になりたかった女の子になりたかった女の子」 | 2021年5月17日 |
松田青子さんの「男の子になりたかった
女の子になりたかった女の子」は
女性であれば誰しも経験があることとか
ずっと心のどこかにあったひっかかりなんかが
うまいことおもしろく描かれています。
細雪をオマージュしたという「ゼリーのエース」では
なかなか結婚しない三女の設定のゼリーの
”身”がかたまりません。
ゼリー達の浪速言葉のおしゃべりが可愛らしくて笑いました。
青は男色、赤は女色ってありましたよね。
小学校の入学式に私の両親がはりきって
用意してくれた真新しい革靴は赤色だったので
「靴は黒がいい」と言うと
「ランドセルも黒にするぞ」と言われました。
なんで、一年生になるのにこんな子供っぽい靴
なんだろと幼い私は不満に思ったものでした。
かなりの天然パーマで髪がからまるため
いつもショートカットで愛想もなければ
可愛らしくもない子供だったので両親は
なんとか女の子らしい感じにしたかったのでしょうね。
クスリと笑える不思議ワールドでした。
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「半逆光」 | 2021年5月14日 |
谷村志穂さんの「半逆光」はイヤミス不倫小説でした。
21年前からの不倫相手とのメールを保存してた夫、
子育てに夢中で夫の不貞に気づかなかった妻、
8年にも渡る関係を不倫私小説として執筆していた女性。
妻がある日、長い年月の不倫関係の
やりとりを知って「ああ、あの頃」って
子育てが大変だった時期を思い出しては
苦しむのがなんとも気の毒なことでした。
物語はすっきりしない違和感が胸の内に
どんよりと澱がたまってゆくようで
どこまでも後味悪いのです。
これ、きっと作者さんの狙い通りですね(ノ≧ڡ≦)
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