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「五つの季節に探偵は」
2022年2月26日

逸木裕さんの「五つの季節に探偵は」には
主人公の女性探偵をとりまく五つの時代に
起こる五つの事件が描かれています。



一章はコバルト文庫的な感じです。
二章は香道についてシュール感あるミステリー。
三章は読み手も防犯の勉強しつつの謎解きが
おもしろく最後はゾクゾクゾワゾワ。
四章はクラシックのお話で思い込みドンデンにビックリ。
最終章は真相に意外性があってホロリときました。

 

依頼人達にとっていい結果になるとは
かぎらないとわかっていても
「人の本性を暴かずにはいられない」
という自身の欲を満たす為なら危険も顧みない主人公です。

 

五章まで読むと、コバルト文庫チックな
一章は必要だったと思えました。
もともとはニュートラルな性格だった
主人公の成長が頼もしいことでした。

 

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金澤syugenはオーダーメイドの少人数の結婚式、
生家ご出立、挙式、フォト婚のサポートもいたします。
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「ミシンと金魚」
2022年2月23日

永井みみさんの「ミシンと金魚」は
認知症の老年の女性カケイさんの後悔と
贖罪の思いがユーモラスに描かれています。



冷めた家族や医師の対応に
ああ、ありそうだなぁや
認知機能が落ちるとこんな風に
見えてくるのかなぁと考えたりしました。
介護職に就いていたという作者さんの体験が
あってこそのリアリティー溢れる表現が際立っています。

 

壮絶な女の一生ですがリズムの良い語りが軽快です。
独特の世界観があり、現在と過去の記憶が
混同されており、会話のやりとりに
「 」書きもないのですが混乱することもないのです。

 

振り返った人生が幸せな事より
辛い事の方がはるかに多く
年老いて記憶があいまいになっても
その傷はなおも生々しく痛みを伴って
カケイさんの胸の内に蘇るのです。
その中にも幸せだった事の記憶は
温度だとか香りだとか手触りが心に
刻まれていることにホッとしました。

 

余談ですが作者さんはコロナに感染し
かなり重篤なことだったけど
カケイさんの最期を書かねばと復活され
出来上がった作品だそうです。
良い作品が生まれたことに感謝です。

 

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「おネコさま御一行 れんげ荘物語」
2022年2月20日

群ようこさんの「おネコさま御一行
れんげ荘物語」は、早期退職した独身女性の
なにげない普段の生活が描かれています。



のんびり平和に暮らす主人公ですが
亡くなった母親への感情が時に
重苦しくまとわりついてくるようです。
穏やかに暮らしている風でも
人の心の内には忘れることができない
深い傷があったりします。
(きっと、作者さん自身が母親との
確執に苦しんだのだろうと察すると
切なくもあります。)
主人公は友人に
わざわざ自分から思い出を引きずり出しても
過去が改善されるわけではないと
言われたこともあって可愛い猫のことや
楽しいことを考え前むきになるのです。

 

お話の中で動物を迎えた家の家族や
恋人同士の関係が良くなることを
「すごい勢いで家の中の空気が
循環している」と表現しています。
小動物が安心して懐いてくる様子は
なんと平和なことでしょう。
ゆったりした空気が流れる読むアニマルセラピーでした。

 

明後日は2022年2月22日は100年に1度の
2が5つ揃うスーパー猫の日なのだそうです。
私もInstagramでみる猫ちゃん画像に癒されています。

 

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「連鎖犯」
2022年2月17日

生馬直樹さんの「連鎖犯」は社会派ミステリー小説です。



姉弟が誘拐されるシーンに息苦しくなっても
無事に保護されることを知っていたので
なんとか読み進みました。
その後、姉弟が家に帰ってからの
母親へのバッシングと姉弟への偏見が
とてつもない言葉の暴力的でした。

 

誘拐犯罪そのものよりネグレクト、虐待、
貧困、養護施設のあり方、SNSの影響、
そして経済的格差による子供の学力や
適応能力の格差が描かれています。

 

第一部の最終、夜の海で姉弟に母親が
生まれる前に親を選ぶ権利があったら
良かったのにと話すシーンが泣けて
なけてしかたなかったです。

 

第二部の最終、わずかなページでどんでんがありました。
「雪と心臓」もそうでしたが不穏なキブンに
浸りながらの先が気になり夜更かしの一気読みでした。

 

姉弟のたくましさとカンの良さ絆の強さが際立っていました。

 

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「和菓子のアン」
2022年2月14日

今日はバレンタインデー💓
あちらこちらでいろんな思いの込められた
チョコが贈られていることでしょう。

 

甘いお菓子繋がりで和菓子のお話
坂木司さんの「和菓子のアン」です。



「松風」というお盆時のお菓子にまつわるお話は
お盆は年に一度の亡くなった愛しき人と
デートできる日なのだという甘く切ない思いに泣けました。

 

おいしそうな描写やだじゃれもあって
和菓子好き人間としては菓子用語も
楽しめるし「兄」「遠出」「泣く」などの
ギョ-カイの隠語にへぇーでした。
「じゃないかな」なんてちょっとした謎解きを
一緒にしたりどんなお菓子なんだろうと
妄想したりも楽しかったです。

 

続編の「アンと愛情」「おやつが好き」を
以前読んで遡っての2010年のお話を
読んだのですが解かれなくてもいい謎とき
ミステリーは穏やかでほっこりしました。

 

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「月の光の届く距離」
2022年2月10日

宇佐美まことさんの「月の光の届く距離」は
冒頭、17歳の母親が生まれてくる我が子に書いた手紙から始まります。



児童虐待や貧困、ネグレクト、居場所のない
子どもたちのリアルな描写が残酷で
胸が痛み嫌な気分になる箇所も
多々ありつつもぐいぐい引き込まれました。

 

高校生が望まぬ妊娠をした結果
恋人に拒絶され両親からも責められ
死のうとした場所で運命的な出会いがあります。
その後、色んな人と巡り会うことから
子供だった高校生の心が親として大人へと
成長していきます。

 

第三章は劇画タッチなマンガのような
展開で現実味がなく、えっ!?えっ!?
えーーー!っというまさかの展開でした。

 

子供の幸せを願っての特別養子縁組も里親制度の
ことなども勉強になりました。
結末が近づくと高校生の選択に納得できず
(ネタバレになってはいけないからかかず)
決断を変えて欲しいと切に願い続け読み進むも、でした。

 

優しい人が壮絶な過去を抱えていたり
強い人が悲しみを隠していることもあって
真珠が痛い思いをした分、美しくなるという比喩は好きだったなぁ。

 

読み終えて再度冒頭の手紙を読み
「月の光の届く距離」というタイトルが
ああなるほどでした。
産まれてくる子どもがたくさんの愛を受けて
明るい未来がありますようにと祈ります。

 

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「桜風堂夢ものがたり」
2022年2月7日

村山早紀さんの「桜風堂夢ものがたり」は
書店にかかわる人達のファンタジーなお話がよっつです。



奇跡が起こるという峠があって
ずっと思っていた人と会えるのです。

 

カリスマ書店員の20代の女性のお話
「子狐の手紙」がとても好きでした。
父親が当然、峠にあらわれるのです。
母親と幼い彼女を捨て他の女性との
暮らしを選んだ父親とはずっと会っていなかったのです。

 

その後、父親が離れていてもずっと我が子を
思い続けていたのはもちろんのこと
父親の友人達にも見守られていたことを知ります。
幼い頃からいっぱいの愛情をうけていたことを
彼女が知れて良かったよかった
と、涙なみだです。

 

そして、晩年幸せそうでは無かった父親が
娘の成長につれ自慢に思っていて
彼女が希望の光を放って父親を照らしていたことも知ります。
涙が溢れました。

 

村山さんのお話に出てくる宇宙人や魔法は本当にありそうで
楽しいなぁと思うのでした。

 

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「夜の側に立つ」
2022年2月4日

小野寺史宜さんの「夜の側に立つ」は
結末が最初に書かれていて謎解きをするように
18歳から40歳までの時代を行き来する構成となっています。



誰もが自分と重ねられるような
細かな人間の感情が描かれています。
あの時こうしておけばよかったとか
後悔といったその時々の後ろ暗さが
湿度となってまとわりつくような物語でした。

 

テンポ良く読みやすかったのですが、
動物へのDVシーンはただただ不快でした。
人はあるゆる側面を持っていて
登場人物達の恋愛感や人生感が
いろいろ垣間見られました。
後悔や心のひっかかりを積み重ねていくことが
大人になるということなのかもしれませんね。

 

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「ミス・サンシャイン」
2022年1月31日

吉田修一さんの「ミス・サンシャイン」は
穏やかで淡々とした語り口がとても心地よいことでした。



こんな女優さんいた
こんなドラマあった
こんな事件あった、などなど度々
思うのだけどすべてフィクションです。
それでいて実在の有名人とか出来事が
交差しているので臨場感があります。

 

長崎で被爆経歴がある80歳の元女優の
女性の生き様がかっこいいのです。
被爆者への差別や女性の地位の低さ、
また、戦後のアメリカと日本との関係、
欧米での有色人種への差別なども描かれています。

 

80歳の女性に憧れる20代の青年の
ほのかな恋心もいとおしく
結末も明るい未来を感じられるものでした。

 

とても辛い時には深呼吸しようって思いました。

 

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「ひとりでカラカサさしてゆく」
2022年1月27日

江國香織さんの「ひとりでカラカサさしてゆく」は
登場人物がとにかく多くコロコロと視点が
変わる展開につき時間をかけると物語を
見失いそうでさっさと読み進めました。



家族がいても子や孫に頼りたいという
時代でもなく子育てが終って静かな
孤独を味わう世代の三人が一緒に死のうと
決めるところから物語りは始まります。

 

仕事にも恵まれた人生で
見た目も良さそうな知的でユーモアある
会話も楽しめる80代の三人は
家族でもなく、恋人でもなく、
親友と呼ぶにはちょっと違和感がある。
でも、絶対の信頼感がある友人同士です。

 

コロナ禍も絡めながらのお話で
人間関係が希薄になりがちな昨今だけど
時に繋がり合うことの心強さがあって
それはとても大切なことなのだと感じました。

 

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