「夏鳥たちのとまり木」 | 2022年7月13日 |
奥田亜希子さんの「夏鳥たちのとまり木」は
心に傷を持っていて生き辛さを抱えている女性教諭が主人公です。
主人公は中学生の頃にネグレクトの母親から
逃げたくてネット掲示板で声を掛けて来た
男の元に身を寄せたという経験があります。
やがて教師となるも無気力で教育に熱心さはなく
私生活でも怠惰な暮らしをしています。
ある日、教え子の優等生の女生徒がSNSで
知り合った男の家に外泊するという事態が起こります。
主人公をフォローする男性教諭もまた過去の
呪縛に囚われていました。
これをきっかけに主人公と男性教諭がそれぞれの
過去に折り合いをつけるべく行動を起こします。
痛みを受け入れる困難もあり引きずることもありつつ
過去と向き合いその傷を癒やし成長します。
読み終えて「とまり木」のタイトルなるほどでした。
生徒も教師も良き人との出あいがあって再生する物語です。
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金澤syugenはオーダーメイドの少人数の結婚式、
生家ご出立、挙式、フォト婚のサポートもいたします。
金沢らしさを織り込んだ祝言や古き婚礼文化の再現も叶います。
衣装コーディネート、オリジナルアイテムのデザイン、
和婚式の会場紹介などポイントサポートもご相談ください。
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「私と街たち(ほぼ自伝)」 | 2022年7月10日 |
昭和ノスタルジーに浸りながら「私と街たち(ほぼ自伝)」を読みました。
吉本ばななさんのエッセイはほぼ読んでるので
あの頃、あの町、あのお友達など
勝手に懐かしさも感じていました。
そして、他作品の中にも書かれているように
幼少期からすでに随分と不思議な体験を
されていたんだなぁと思うのでした。
ばななさんの子供の頃はいつもたくさんの人が
家にやってきて、それは連絡もなくだったりもして
(家電話のある時代なのに!)
ズカズカ暮らしに入り込んでくる人達が
大勢いたと書かれていて「プライバシーのない
生活はほんとうにつらい」とありました。
昔ってどこの家も多かれ少なかれそうでしたね。
その頃は、そんなもんと思っていましたが
今は訪問前に電話はもちろんのことで
最近では「今、お電話してよいですか?」と
予めメッセージで聞いてから電話をするようにしています。
突電で驚かせてはいけないので。
表紙はばななさんの幼少時代で裏表紙には家族の笑顔の写真。
イマドキの言葉で言うならエモいです。
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「カレーの時間」 | 2022年7月6日 |
「カレーの時間」は過去と現在をいったりきたり、祖父と孫が交互に語ります。
祖父のあんまりの偏屈で頑固っぷりに
このじいさんの語りをずっと読まされるって
どうなんだろう?やめようかなって思いながらも
寺地はるかさんだし、きっといい方向に
向かうに決まってると信じて読み進めました。
この本のおじいちゃんみたいにアップデート
できないという人がけっこういます。
ほんのちょっと前の時代とコンプライアンスが
大きく変わっていてそれに気づかずにいるは
大人年齢男性に多いです、確かに。
潔癖な孫とがさつな祖父が同居することになり
日々の暮らしの中で少しずつお互いを知っていき
やがては家族にまつわる秘密が明らかになっていきます。
かなり困ったおじいちゃんだけど、違う側面もあります。
おじいちゃんは愛されたことがなかったから
愛し方が分からなかっただけで本当は
家族のことが大切で仕方ないのです。
家族を守りたい、傷つけまいと強く願っている
ゆえの不器用な優しさに泣けました。
やはり話をして思いを伝えるって家族であっても大切ですね。
しっかし、無性にカレー食べたくなるお話でした。
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「小さいわたし」 | 2022年7月3日 |
懐かしいがいっぱいの「小さいわたし」でした。
私も益田ミリさんと同じく早生まれだったので
できないことが多くて先生(私の場合は小一の担任教師)を
いらつかせて怒らせてとにかく怖くて萎縮して
ますますすしゃべれなくなったことを思い出しました。
(今の私をご存知のかたは驚くだろうけど内気な子だったのだガハハ)
「熱が出た」の章では学校を休んで登校すると
みんなに心配されて「いい気分だった」わかります(ू•ᴗ•ू❁)。
「春がくる」の章では二年生になるワクワク感ありつつ
一年の先生がよその学校に行くことの寂しさがかかれています。
我が家のボウズが一年生の時、大好きな先生の
転任を知りお別れに胸を痛めていたようです。
終業式から帰ってきて
「絶対泣かんとこうって思っとってん。
けど、泣いてしまった。。。」って打ち明けられ
「お母さん、優しい男の子好きだよ^^」とギュっと
抱きしめたことを思い出しました。
それぞれのエッセイのタイトルもいいのです。
「ふたつのおしゃべり」の章では
頭の中のおしゃべりについて考えていて
言うおしゃべりと言わないおしゃべり
って、なんだか哲学的でもありました。
小さい頃も小さなからだで色々感じて、思って、
考えてもいて、とくいになったり、嬉しかったり、
心配したり、不安になったり、ドキドキしたりしながら
今よりずっと長く感じる一日を過ごしていた気がします。
自分の子供の頃だけじゃなく
我が子の可愛かった頃の宝のような
無垢な時代のいろんなことが蘇りました。
もちろんイラストも可愛くってオススメです。
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「マスカレード・ゲーム」 | 2022年6月29日 |
東野圭吾さんのマスカレードシリーズ第四弾「マスカレード・ゲーム」です。
読み始めると真相を知りたくて夜更かししての一気読みでした。
かって犯罪に巻き込まれ家族を失った遺族間での
交換殺人ではないかと物語は始まります。
日本の刑罰の実情についてかかれています。
加害者は刑期を終えれば日常に戻れても
被害者側の苦悩は永遠に晴れる事がない様子が描かれています。
中には亡くなった後も尊厳を傷つけられるいという
事例もあって遺族の悲しみと怒りは
いかばかりかとその理不尽さに辛くなりました。
読みながら被害者遺族の終わりのない苦しみと
贖罪のあり方について何度も考えさせられました。
今回の最後の1ページにサプライズ!
次は新体制で?続編あるのかしらん?とすでに楽しみにしています。
ミステリーと人間ドラマの融合があって
マスカレード・シリーズの中で一番ぐいぐい引き込まれました。
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「宙ごはん」 | 2022年6月26日 |
町田そのこさんの「宙ごはん」は主人公の宙ちゃんの
保育園から高校生までの五つの時代のお話です。
辛いことがあると宙ごはんがひとつ増えて
悲しみを乗り越え成長していきます。
ほのぼの系のお話かと思いきや、主人公はもちろんのこと
他の登場人物もみなが複雑な家庭環境なのです。
ネグレクト、いじめ、不倫、モワハラ、ヤングケアラー、
過干渉、虐待、家庭内暴力、毒親、
飲酒運転による事故の被害者家族と加害者家族、
よくぞここまで要素を詰め込めたものと関心します。
そして、何故ここまで悲惨?
っと感じつつもよき塩梅で登場人物みんなを応援したくなりました。
加害者家族の贖罪については、加害者側の自己満足と
言われればそうなのかもしれないと考えさせられました。
小学生の男の子が「オレ」と言う時のイントネーションが
抹茶オレのオレというのはわかります。
我が家のボウズもボクからオレになった頃は
抹茶オレの「オレ」のイントネーションでしたから(ू•ᴗ•ू❁)。
こういうリアリティーがあちこちにあります。
主人公が家族愛テーマの小説が好きでそれは
「本の中に探している答えがあるかも
知れないと思っているから」と言うから
ああ、なるほどって感じました。
家族愛テーマに限らず、そういう気持ちで本を選ぶことって多いですよね。
登場する人々が優しい料理で心があたたまって
前に向かって歩もうとする再生の物語でとにかく泣きました。
明るい未来と希望があってオススメです。
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「ついでにジェントルメン」 | 2022年6月23日 |
柚木麻子さんの「ついでにジェントルメン」は
一生懸命で元気な女性が描かれている7つの短編集です。
陽気な菊池寛が出てくるファンタジー
「Come Come Kan!!」は
寛さんのキャラクターとお茶目な主人公に和みました。
「あしみじおじさん」は欧米の児童名作文学では
恵まれない少女が裕福な人に援助を受け
幸せになれるという共通点があるということなるほどでした。
ハイジ、セーラ、ジュディ、ジョー、アン、
みーんな確かに貧乏な子がお金持ちに認められ
ハッピーエンドになっていました。
(あの頃は、清く正しく生きていればいつかは
認められるって解釈をしていました。)
主人公は文学全集を生きる指南書として
行動しついには成功をつかみとるのです。
「アパート一階はカフェー」は1931年が舞台で
その時代には女性が1人で喫茶店に入ることも
ままならずカフェで働く女給さんは「痴人の愛」の
影響で偏見にみちた目で見られたそうです。
「何それ!?」って感じでした。
どのお話もユーモアと痛快なメッセージありでした(ू•ᴗ•ू❁)
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「孤蝶の城」 | 2022年6月19日 |
桜木紫乃さんの「孤蝶の城」は「緋の河」の
続編ということで楽しみにしていました。
今回はカルーセル麻紀さんの性転換手術から物語が始まります。
創作と事実が交差していて
これってあの演歌歌手さん?あの作家さんかしらん
などなどと想像したりもしました。
綺羅京介は美輪明宏さんに違いなく
「ビブラートをきかせながら笑った」のところで確信!
三輪さんの声で読みました。
「謝る先は母」と言う主人公。
いつも母親に感謝の思いを持っていて
愛おしみ身を案じている優しさが
随所に描かれていてジーンときます。
本筋ではないのかもですが役に立たず
気弱でまったく使えないマネージャーくん。
やがて彼は気働きもできて
機転も利かせられる器用さが身につき
良きパートナーへと成長してゆきます。
主人公と深い信頼関係を築いてゆく様子が頼もしいことでした。
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「鍵のない夢を見る 」 | 2022年6月15日 |
辻村深月さんの「鍵のない夢を見る 」は
五つの短編のどの作品も生活感が溢れていて
女性の悩む姿に現実味があります。
そして、濃度高めの毒を含んでいます。
中でもおもしろかったのが「君本家の誘拐」。
子育てが始まり「後戻りできない」という気持ちに共感できました。
このままずっと子供と二人きり世の中に置いて
行かれるのではないかという不安やいらだちもわかります。
眠らない、泣き止まない、食べてくれない
子育ては思い通りになることなど何一つなく
追い詰められて赤ちゃんと泣きたいキブンになって
いや、泣いていたな、、、、
誰もが初心者ですから。
それでいて、我が子の笑顔で疲れがふっとぶ瞬間。
すべてわかるわかるでした。
最後のほうの数ページはハラハラドキドキの疾走感がはんぱないことでした。
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「夜に星を放つ」 | 2022年6月12日 |
窪美澄さんの「夜に星を放つ」には数々の
大切なメッセージがこめられていました。
「銀紙色のアンタレス」「真珠星スピカ」は既視感あり。
以前、アンソロジーに入っていて再読でしたが楽しめました。
「真夜中のアボカド」「湿りの海」「星の随に」には
コロナ時代の不自由さ閉塞感も描かれていました。
「星の随に」は父親の再婚相手と微妙な
空気に悩む小学生の男子が主人公です。
とても良い子で、小さい子にこんなに
気を遣わせていいものだろうか
心の傷になるのではないかしら
などと考えたら涙がでました。
父親はコロナで商売がままならず
実の母親は病院勤務で忙しく会えない
同居の母親は育児で余裕がなく
コロナもあってみなが追い詰められていくのです。
そこに重ね合わされるのが悲惨な過去の世界大戦です。
思う人に会えない寂しさや悲しみ、もどかしさや
やりきれなさ、そして希望も描かれていました。
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