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「N/A」
2022年8月14日

1994年生まれ年森瑛さんの「N/A」は
遠い昔に高校だった私にも
「誰もがいつの時代もそうだった」と
その感覚わかるなってことが多々ありました。
ですが、今の女子高生の忖度による思考は
分別があって大人っぽく私達の頃とは随分と違いますね。



勝手に属性にはめられることへのモヤモヤが
語られ、私もカテゴライズされることが
苦手ゆえにその部分は大いに理解できました。

 

ネットの怖さもリアルに描かれていて
いつでも繋がるし知ることができる情報過多の
検索社会は窮屈なことも多かろうなと感じました。

 

芥川賞候補作ということで身構えていたら
言い回しやリズムが独特ではあるものの
言葉の選び方に好感が持てて
案外と読みやすく若い時期の心の迷いや
揺れがうまく描かれていました。

 

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金澤syugen
はオーダーメイドの少人数の結婚式、
生家ご出立、挙式、フォト婚のサポートもいたします。
金沢らしさを織り込んだ祝言や古き婚礼文化の再現も叶います。
衣装コーディネート、オリジナルアイテムのデザイン、
和婚式の会場紹介などポイントサポートもご相談ください。
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2022年8月14日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「とあるひととき 作家の朝、夕暮れ、午後十一時」
2022年8月11日

好きな作家さん達のアンソロジーというから読む前からワクワクでした。



「とあるひととき 」は15人の作家さんの
「朝」「夕暮れ」「午後十一時」の時間の思い出のエッセイです。

 

高橋源一郎さんの午後十一時の思い出は
思春期の頃、ラジオに夢中になったことです。
私も深夜放送を聞き始めた中学生の頃
自分が大人になった気がしたものでした。
ラジオを通して知る世界は新鮮で
リスナーの葉書に共感したり大笑いも度々。
尖っていたあの時期、ラジオのパーソナリティの
言葉は素直な心で聴いていたような気もします。

 

小川洋子さんの午後十一時の思い出は
懐かしさでいっぱいになりました。
子供が小さい頃、寝かしつけてても
なかなか眠ってくれずで
朝からめくるめくな一日を終えた我が身は
もうクタクタで眠たくってねむたくってなのにです。
ようやく寝かしつけられた時の
起きなきゃ仕事をしなきゃっていう思いと
このまま眠りたいという欲望と戦う感じは
みな経験があるのではないでしょうか。
そして、スヤスヤ眠っている我が子の
寝息をそっと吸い込んだ時の幸せったらなかったです。
もう一度あの寝息を吸い込みたいなぁと思うのです。

 

道尾秀介さんは思い出というのは本の背表紙のようだと。
好きな本は本棚の上のほうに並べて置いて
好きではない本は処分してしまうから
棚は好きな背表紙(思い出)ばかりとなるってなるほどと感じました。

 

好きな時間についての優しい思い出が
綴られていてイラストも可愛く癒やされます(ू•ᴗ•ू❁)

 

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「ギフテッド」
2022年8月8日

鈴木涼美さんの「ギフテッド」
うーん、正直、私には難しくってなんだかよくわかんなかったです。



今年の芥川賞候補は著者が全員女性ということが
話題になっていて中でも鈴木涼美さんは
東大の大学院卒で元AV女優で新聞記者という
驚くべく経歴の持ち主と聞き興味を持ちました。

 

二重の扉の開閉と鍵を開ける動作のルーティーンが
主人公が自身を保つリズムになっているような感じです。

 

母と娘の過去のわだかまりを匂わす描写はあるものの
心情描写はあまりなく淡々とすすんでゆきます。
裏社会に生きる人のくたびれた感じとかがリアルで
それは、想像だけじゃなくその世界に身をおいた
経験があったからこそのリアル感なのだろうと思うのでした。
私小説なのかしらと感じながら
そんな野暮なことは言うまい
感情を抑えたスタイルゆえにそんな風に考えたのでした。

 

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「マイ・プレゼント」
2022年8月5日

「マイ・プレゼント」は「赤と青とエスキース」
装丁をされたU-kuさんのイラストと
青山美智子さんが紡ぐ言葉のマリアージュで
絵本や詩集とも違っていて哲学的だったり
スピリチュアルだったりな世界観がありました。



瑠璃色の水彩画が幻想的で美しく
とても好きなお色なものだから
「この柄でワンピースだったら素敵💓」などと
考えるのも楽しかったです。

 

心のどこかに小さく小さく折りたたんでおいた
どこか懐かしい感情がふわっとわいてきたり
鼓舞させてくれるような力強い言葉もあります。

 

冬には赤をテーマにした「ユア・プレゼント」が
発刊になるらしいです。
そうこなくちゃです。
こういう本は電子じゃなくて紙ですね、絶対に(❤╹ω╹❤)。

 

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「子宝船」
2022年8月1日

宮部みゆきさんの時代小説「子宝船」は
人情味溢れる町で起きた不可解な事件から始まります。



主人公の心の声で物語がすすんで
行くのだけどその口調が軽快で読みやすく
ほのぼのとした挿絵も楽しいのです。
そして、「ぼんくら」にでてきた
恐ろしく記憶力の良いおでここと三太郎や
政五郎親分が登場してああ懐かしいことでした。

 

三つのお話は繋がっていて読み終えて
しばらくしてからもあの人はいったいどこ行ったのかしらん
(ネタバレになるのでかけず)などと考えていました。
喜多次の過去も少しずつ明かされて
登場人物はこの先どうなるんだろうと気に掛かります。
人間の業を描いたミステリーさらに発展しそうです(ू•ᴗ•ू❁)

 

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「オリーブの実るころ」
2022年7月29日

中島京子 さんの「オリーブの実るころ」は
パートナーとの関係性がテーマになっている六つの短編集です。



ほんの半世紀前にはこんな因習があったのかと
辛く切なくなるような過去を語ったお話や
シュールでゾワッとするお話
ジワジワと追い詰められていくよな
ちょっぴりホラーなお話
ホッとできるファンタジーもあります。

 

中でも「家猫」は人間の嫌な部分や狡さが
描かれていて誰かを傷つけていながら
自分はまともと疑わない毒家族達が薄ら寒いのです。

 

「ローゼンブルクで恋をして」の舞台は実は
茨城~Rosenburg~なのです。
都道府県をドイツ語にするとかっこいいってのが
おもしろく石川も調べてみると
Steinflus((シュタインフルス)と!
これけっこう楽しいです。
京都がEdelhauptstadt(エーデルハウプトシュタット)
山形がBergform(ベルクフォルム)などとなんとなく
なるほどねって感じです。

 

昭和懐古のノスタルジー感も楽しめる不思議なお話達でした。

 

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「星屑」
2022年7月26日

村山由佳さんの「星屑」は1980年頃、二人の少女が
芸能界でスターになることを夢みて歩むお話しです。



ふたつの原石が激しくぶつかり
互いに刺激し高め合ってゆきます。
見守る主人公の女性マネージャーも神経をすり減らします。

 

次つぎと困難に見舞われるのですが
二人の少女が反発しつつも協力し乗り越え
やがて認め合えるようになってゆく様子が
その昔の少女漫画っぽいなぁなどと思ったりします。
いろいろと複雑な秘密があってあちこちで
実は繋がっていて絡みあい思惑して
明かされてがあってドキドキハラハラ💓
どこまでも昭和の頃に流行った感じなのです。

 

主人公が女性ということで努力しても男性の
補佐的な仕事しかさせてもらえず
今ではありえないありとあらゆるハラスメントが
色々と登場します。
この40年くらいですごい勢いでもって時代は
変わったのだともあらためて思うのでした。

 

当時の有名人と思わせる歌手が多く登場します。
青が赤だったり五が三だったり西が南だったり
想像できる風に名前が変えてあって
なんとなく脳内で音楽番組を楽しみました。

 

女の子の負けん気の努力や夢を追いかける
サクセスストーリーは好きなのでサクサク読めました。

 

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「禁漁区」
2022年7月22日

石田衣良さんの「禁漁区」はタイトルの如く危険な世界に足を踏み入れた女性が主人公です。



こんな華やかな世界が実際にあるのでしょうか。
設定に現実味がない不倫のお話しではありましたが
「冒険には危険がつきもの」という教訓がありました。
ま、物語の中なので妖しく美しく燃えるような背徳の恋もありですね。

 

さて、一昨日は直木賞の発表があり
「夜に星を放つ」が選ばれました。
窪美澄さんはデビュー作からずっとおっかけている
好きな作家さんです。
この作品も6月にこのブログでレビューをかきました。
応援していた作家さんでこの作品も
好きだったのでなんだかとても嬉しかったです。

 

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「強運の持ち主 」
2022年7月19日

瀬尾まいこさんの「強運の持ち主」の 主人公の仕事はインチキ占い師です。



「大事なのは正しく占うことじゃなくて、
相手の背中を押すことだから」。
誰かに(占い師だったり)気持ちを話すことで
心の整理がつくって言うのわかります。

 

気持ちが前向きになれる占いは好きです。
以前から思っていたけど朝のテレビの
「今日の星座占い」はHappyさん
上位3つくらいだけでよくないですか。
後半になると最下位なの?っとドキドキするし
朝からイヤな気持ちになるよな言葉は欲しくありません。

 

「終わりが見える」という大学生の青年の
登場でお話がおもしろくなります。
「終わり」って言葉に「なんて!不吉!」って
最初は思ったのですが、終わることから
新しい展望が開けることもあるってのはなるほどでした。

 

占いは魔法ではないし、占いを信じたから
願いが叶う訳ではありません。
結局は自分自身で決断する事が一番なのです。
穏和なお仕事小説でした。

 

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「幽霊絵師火狂 筆のみが知る 」
2022年7月16日

「幽霊絵師火狂 筆のみが知る 」の
舞台は大政奉還からしばらくたっての明治時代です。



人には見えないものが見えてその姿を描く
人気幽霊絵師、そしてその絵師の居候先の
料理屋のお嬢さんがみる不可思議な夢がシンクロします。
絵に込められた念や謎を二人が
解き明かしてゆくミステリーファンタジーです。

 

物語には思いを残し幽霊として漂う亡者の
憎しみや恨みの念だけではなく
愛する人への情や感謝の思いもあって
物悲しさや切なさといった感情が静かに流れています。

 

近藤史恵さんの時代小説は初めてでしたが
愛憎のおどろおどろしさがありつつも
ホロリとする人情も描かれていてどこか優しげな幽壇譚でした。

 

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