「夏日狂想」 | 2022年10月20日 |
「夏日狂想」の主人公は明治に生まれ大正、激動の
戦前、戦後を生き抜き女優から女流作家となります。
花電車が広島の街を走るシーンから始まり
大正時代の生活はモダンで洋菓子や洋服姿など
ワクワクするようなハイカラさがあります。
中盤あたりから戦中に入ってゆくのですが
戦いなど望んでいない国民が戦争の犠牲になっていく
様子がむごいことでした。
窪美澄さんは以前から追いかけている作家さんですが
今までの作品とは違った印象でした。
フィクションですが中原中也の詩と
小林秀雄のランボーの訳詞は実際の詩集の作品だそうです。
実在した恋多き美貌の女性がモデルで
複数の著名な文化人や文学者と交遊関係を持ち
その時代は「毒婦」と世間からいわれたそうです。
魅力的な女性として描かれていました。
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金澤syugenはオーダーメイドの少人数の結婚式、
生家ご出立、挙式、フォト婚のサポートもいたします。
金沢らしさを織り込んだ祝言や古き婚礼文化の再現も叶います。
衣装コーディネート、オリジナルアイテムのデザイン、
和婚式の会場紹介などポイントサポートもご相談ください。
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「小さいおうち」 | 2022年10月16日 |
中島京子さんの「小さいおうち」は祖母の手記という形で
現代の孫(甥の子供)目線も織り込みつつ
昭和初期と現在を行ったり来たりする物語です。
太平洋戦争が始まる時に街が活気に満ちて
女性や子供も高揚感でワクワクな感じが
読み間違いかと思うくらいの驚きでした。
もちろん、それを現代から孫目線でみると
まるで違う出来事となっています。
戦争がじわじわと生活を侵蝕し
夜の5時から8時までの飲食店の営業の制限とか
街から人の姿が少なくなってゆく不穏な感じが
2020年のコロナの緊急事態制限の時期と似ています。
(私達はコロナに怯えながらも十分な食事ができ
いっそう衛生的な生活を送れました。)
祖母の思い出の中にはいつも光り輝く憧れの人がいて
自身の苦しかったことは書かれておらず
朗らかで豊かな暮らしぶりが綴られています。
嫌な思い出はそぎ落としながら記憶は美化され
年を重ねるが賢い老い方であろうと感じました。
時空を超え、最終章で再び登場した手紙に秘められた想い。
それを独りでずっと抱えてきた祖母の心情、
深い葛藤や後悔を思いばかるばかりです。
祖母の手記もどこか曖昧でお話の中で
さらなるフィクションがあるのかもと読み終えて
しばらく考えていました。
職業女中としての誇り、共有した秘密、閉じ込めた恋情
読めば読むほど物語に入り込んでのイッキ読みでした。
余韻も楽しめるオススメ本です(❤╹ω╹❤)。
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「浅草ルンタッタ」 | 2022年10月13日 |
劇団ひとりさんの「浅草ルンタッタ」は女の子が
非合法の妓楼で働く女性達に拾われることからお話が始まります。
女の子は赤ん坊の頃から大切に大切に育てられ
やがて成長したら遊郭に入れようと考え
厳しく行儀や芸事を教え込まれます。
苦界で散々辛い経験をした女性が
孤児が幸せになれるのは遊郭しかないって
思いいたるのはなんとも切ない話です。
器量と技量が全ての世界でさらなる花魁になれれば
裕福な旦那さんに見初められるかもしれないから
遊郭は「唯一の光」であると言うのです。
たった100年前には多かれ少なかれあったことなの
だろうという理不尽な出来事や
関東大震災など重たいテーマを扱っていて
残虐なシーンも多いのですが
軽快なオノマトペに救われます。
劇団ひとりさん、よく勉強されていて
(決して上から目線ではない)すごいです。
けど、設定にちょいと無理はありゃしませんかとも感じました。
血が繋がってなくとも確かに家族として
思いやりでなりたっている深い絆があると感じました。
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「たとえば、葡萄」 | 2022年10月10日 |
大島真寿美さんの「たとえば、葡萄」を読むと絶対にワインが呑みたくなります。
主人公は、2019年に「やり直すなら今だ」と大手企業を退職します。
で、コロナです。
ウダウダするしかないという日々を過ごす怠け者の
主人公がひょんなことから山梨のぶどう畑にて手伝いを
したことがきっかけで少しずつ変わってゆきます。
ぶどうに傘をかけていく時の生きたぶどうを愛おしみ
魅せらてゆくくだりがおとぎ話のようで好きでした。
世の中の軋みがあちらこちらで起きるコロナ禍に
心からいいなあと思えるものに出会えた主人公が
目の前の景色を変えてみようと動き出します。
29歳の主人公が饒舌で脳内での独り言さえも
軽快なリズムあって楽しかったです。
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「イオカステの揺籃」 | 2022年10月6日 |
「イオカステの揺籃」は誰もが羨むような
裕福な屋敷の美しいバラ夫人を中心に家族の愛憎が描かれています。
遠田潤子さんは追いかけている作家さんの
一人ですが、今作は血縁の呪いと
断ち切れない負の連鎖がおどろおどろしくかなりの衝撃でした。
美しいバラ夫人は信じられない家庭環境で育ちました。
昭和中期の頃に最低な夫とその夫に抑圧された妻の
子供として生まれ不満のはけ口として虐待され続けます。
娘(のちのバラ夫人)の成長に伴い母親は恵まれている
娘に対して呪詛の言葉を投げつけます。
それは、娘への羨み嫉妬の感情です。
母親(昭和初期生まれ)は戦争中に思春期が
あったわけで狂気ってのも戦争や夫からのモラハラなども
起因してるのではないかって考えたりもしました。
親や伴侶から愛情を受けることはもちろんで
さらに、年頃におしゃれしたりお友達と遊んだり
恋をしたりも人の成長には大切なことだと思いました。
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「ペットショップ無惨」 | 2022年10月3日 |
石田衣良さんの「ペットショップ無惨」は
タイトルからすでにイヤな気持ちになります。
ペット産業の問題については何故
命の売り買いをするペットショップが
禁止にならないのかと私自身も以前より疑問に感じています。
四つの短編は悲惨なヤングケアラー、
理不尽な外国人の冤罪、危険なマッチングアプリ、
残虐なペット産業といった闇をバーチャル体験した気分です。
マコトとタカシが各町にいて悪事を暴いてくれたら
救われる人も多いことでしょう。
実際はこんなにうまくいくことはないって
思いながらもやはりスカっとします。
池袋ウエストゲートパークのシリーズは
読者に語りかけるように時事ネタを
織り込みながら世の中の知っておくべき問題に
ついて考えさせてくれるのがいいですね。
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「嘘つきジェンガ」 | 2022年9月30日 |
辻村深月さんの「嘘つきジェンガ」は詐欺がテーマの短編集です。
ごく普通の人であっても
危機感を持っている常識人であっても
ある日、加害者にも被害者にもなるものなのですね。
新聞記事から始まる「2020年のロマンス詐欺」は
既視感があったものだから
「あれ?ホントにあった事件だったか?」
なんて思ったら「神の罠」というアンソロジーで読んでいたのでした。
次男の中学受験である選択をした母親が主人公の
「五年目の受験詐欺」が一番好きでした。
ずっと、家族を傷つけることを恐れ
秘密を抱え込んでいたのだけど
案外と良き方向にむかっていきます。
子供は家庭の空気を察しているし
気づかないうちに成長しているようです。
何が嘘で何が本当かなのか・・・。
嘘が発覚するまでの騙すほう、騙されるほう
どちらの心理描写にもドキドキして
ハラハラ感が半端なかったです。
発覚後は意外にも明るい展開で読後感は良かったです。
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「掬えば手には」 | 2022年9月26日 |
瀬尾まいこさんの「掬えば手には」の主人公は
運動、勉強、美術、音楽などのできのすべてが
ごく普通なことにコンプレックスを持つ大学生男子。
私、個人としては何でも平均までこなせるってすごいことだと思います。
いつも周りをよく見て他人の気持ちに寄り添い
その時々にその人が欲しい言葉をそっと
差し出せる優しさがある主人公。
可愛がってくれた祖母が認知症になって
自分の存在を忘れたことを悲しく思っている人に
「きっと、おばあさん、思い残すこと一つもなく〇〇さんに愛情を注いだんだと思います。心
残りがないくらいに大事にできたんだと。だから、〇〇さんのこと、きれいに忘れられたんじ
ゃないでしょうか。不確かな頭で記憶を探ってわざわざ思い出す必要がないほど。そんなに
も、誰かを愛しきれたってすごいと思います」
泣けました。
(ネタバレになってはいけないので〇〇さんとしました。)
この言葉は宝モノにして心においておきたいなって思いました。
時々はファンタジー感あって、そこに出てくる
女の子の様子が可愛くってウルウルしながら読みました。
人と人との距離感をはかることって難しいですが
絆が生まれていく感じに心があたたかくなりました。
瀬尾さん作品は読み終えたあとに穏やかな気持ちになれます(ू•ᴗ•ू❁)。
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2022年9月26日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »
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「レジデンス」 | 2022年9月22日 |
小野寺史宜ファンタジーは、いつもほんわか
優しい気持ちになれるので追いかけている作家さんの一人です。
ですが、今回の「レジデンス」ではイヤな人しか
でてこなく最後の最後まで救いがなく読後感はとっても悪いのです。
縁(えにし)ってのはあるとは思うけど
ここまでマンション近辺で濃密に絡み合うのはいかがなものか。
成績トップの中学生男子、1日に24時間っかないのに
勉強がすこぶるできて異性交遊もこなし悪事にも精を出す
1日はみな24時間だよね?
時々、スーパーマンのような人っているのですかね。
暴力的で破壊的行動をする若者達に
共感はまったくできず、それでいて物語を
見失うのではと心配もありイッキ読みでした
(複雑なものでペンを持って紙に相関図を書き出す作業もした^^)。
夜遅く暗いとこは歩かないでおこうと、ある意味
平和ボケしている私に警鐘を鳴らしてくれた青春群像劇でした。
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「いつもの木曜日」 | 2022年9月19日 |
「いつもの木曜日」は「木曜日にはココアを」の
スピンオフで後日談ではなく前日談です。
「木曜日にはココアを」を読んでから3年経つので
登場人物を覚えてないような・・・・・
っと、読み進めていくとテーマの色とイラストで
すぐにそうそうってその人の住む街だとか
お仕事なんかも思い出しました。
今回、一ページの六行目の
「楽しいこと」より「楽しみなこと」がたくさんあるほうが、人生は幸せなんじゃないか
という、とこでグッと心をつかまれました。
パープルのお話で大病を克服した主人公が
立ち止まらずに前へ前へと進むことを、ポジティブと言うのだろう。
だけど私は、時々ポジティブに振り返って思い出したい。
苦しくてもがんばってきたこと。
たくさんの人に、助けてもらったこと。(略)
心にじわじわ浸みてくる優しい言葉で泣きたくなりました。
「木曜日にはココアを」では
オレンジとターコイズのお話が特に好きで
3年前Instagramに紹介を載せていたら
青山美智子さんご本人が金澤syugenのブログの記事を
読んでくださってコメントをくださいました。
今回、オレンジのお話ではお尻に星模様の猫が出てきます。
青山さん作品が好きになったきっかけの
「猫のお告げは樹の下で」に出てきた
あの猫ちゃんかしらん?
日本の神社にいた猫のミクジくんがシドニーにいたら
なんて素敵なファンタジーなの!
楽しいなぁ(=^..^=)
「いつもの木曜日」はちょっぴりお疲れの時も
眺めているだけでも心が凪ぎになれる絵本の
ような可愛らしさでオススメ本です。
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